日本には四季折々、様々なお花が咲きますが、その中から『秋の花』についてです。
■今週(9/25~9/29)のテーマ:『秋の花』
9/25(月) 『秋の七草①』
『秋の花』と聞いて、『秋の七草』という言葉を思い浮かべる方、いらっしゃるかと思います。
具体的には、『萩(はぎ)』、『尾花(おばな)』、『葛(くず)』、
『撫子(なでしこ)』、『女郎花(おみなえし)』、『藤袴(ふじばかま)』、
そして、『桔梗(ききょう)』の7つの草花のことです。
この草花たちですが、万葉集に収められている、歌人・山上憶良の2つの和歌が由来とされています。
1つめの和歌では、『秋の野に咲いている草花を、指折り数えると7種類ある』と詠んでいて、
そして、もう1つの和歌では、それぞれの草花の名前を詠んでいます。
その7種類とは、『萩の花』、『尾花』、『葛の花』、『撫子』、『女郎花』、『藤袴』、そして『朝貌(あさがお)の花』です。
ここで1つ疑問です。
和歌の最後に出てくるのは『朝貌』ですが、『秋の七草』では『桔梗』となっているんですよネ。
その理由ですが、諸説ある中、現代の『アサガオ』はこの時代、まだ日本には伝わっていなかった・・・といわれています。
そのため、和歌に出てくる『朝貌』とは、現代の『アサガオ』とは別の植物と考えられ、
それが『桔梗』ではないのか・・・とする説が有力だそうです。
【感想】
確かに桔梗とアサガオ、花びらの開き方とか色がちょっと似てるかもしれませんネ。
お花は四季折々美しいですが、夏のお花の“大胆で華やかな感じ”とは違って、
秋のお花は“控えめで楚々として、奥ゆかしい感じ”がまた素敵ですよネ。
秋生まれの私にとって、秋のお花はとっても興味があります。
9/26(火) 『秋の七草②』
『秋の七草』とは『萩』、『尾花』、『葛』、『撫子』、『女郎花』、『藤袴』、そして、『桔梗(ききょう)』のことです。
『萩』は漢字で“草かんむり”に“秋”と書くように、まさに秋を代表するお花の1つです。
『尾花』は『すすき』の別名で、『すすき』の穂が動物の尾に似ていることが、名前の由来といわれています。
『葛』は、古くから食用や薬用として利用されています。
根から採るデンプン質は『葛粉』と呼ばれ、葛餅や葛切りの原材料として使われています。
また根を乾燥させたものは、『葛根湯(かっこんとう)』となります。
『撫子』とは総称で、『秋の七草』の『撫子』とは、古くから日本各地に自生する『カワラナデシコ(河原撫子)』とされています。
“日本の女性の清楚さ”を表した言葉に、『大和撫子』がありますが、『大和撫子』の『撫子』は、このお花のことです。
『女郎花』の“女郎”には、“美しい女性”という意味があり、
“そんな美しい女性をも圧倒するほど美しい花”というのが名前の由来とされています。
『藤袴』は、花びらの形が筒状で、袴に似ていることからこの名前が付けられました。
そして『桔梗』は、風船のような愛らしいツボミと、星形の美しいお花が特徴です。
【感想】
秋の七草、写真を見ますと、薄い黄色から淡いピンク、あざやかなピンクに朱色、
そして桔梗の高貴な紫色・・・。
どれも個性的で、うっとりするほど美しいです。
いつも思うんですが、誰に教わったわけでもないのに、その季節になると、花を咲かせる植物さんたち。
一生懸命生きてる姿に感動しますよネ。
9/27(水) 『コスモス』
日本の秋の花を代表する『コスモス』ですが、原産地はメキシコです。
18世紀の終わり頃、スペイン人がメキシコから持ち帰り、『コスモス』と名づけたといわれています。
この名前ですが、ギリシャ語で『秩序』や『調和』、『美しい』という意味の、
『Kosmos(コスモス)』に由来しています。
花びらが整然と並び、全体が調和のとれた形をしていることから、『コスモス』という名前になったそうです。
そんな『コスモス』ですが、日本には明治時代に伝わってきました。
そして漢字で『秋の桜』と書いて、『秋桜(あきざくら)』と名づけられました。
この名前は、主に秋に咲くことや、花びらの形が桜に似ていることから、
“秋に咲く桜のような花”というのが由来とされています。
でも今では、この漢字は『あきざくら』ではなく、『コスモス』と読むのが一般的ですよネ。
これは1977年、さだまさしサンが山口百恵さんのために作られた曲のタイトルが、
『秋桜』と書いて『コスモス』で、この曲のヒットによってこの読み方が定着したといわれています。
ちなみに、さだサンによりますと、作った時のタイトルは『小春日和』だったそうなんですネ。
ところが、歌詞には漢字で『秋桜』と書いてあるのに、『コスモス』と歌っていることに驚いたプロデューサーの方から、
“タイトルを変更させてもらえませんか?”と提案され、『秋桜』と書いて『コスモス』となったそうなんです。
【感想】
意外な新事実ですネ。
山口百恵さんの『秋桜』。
子どもだった私にも、心にジ~ンとくる素晴らしい歌ですよネ。
コスモスが咲くと、“あ~秋なんだなぁ・・・”って思う私がいます。
9/28(木) 『キンモクセイ』
甘くやさしい香りで、秋の訪れを教えてくれる『キンモクセイ』ですが、原産地は中国です。
日本には江戸時代に伝わったとされていますが、それよりももっと古くからあった・・・ともいわれています。
『キンモクセイ』は常緑樹で、1年中、青々としていますが、『秋分』の頃から突然、
小さな橙色の花を一斉に咲かせて、華やかな香りを放ちます。
この橙色を金色に見立てて、『キンモクセイ』という名前が付いたといわれています。
そして香りには、様々な効果が期待されていて、特に代表されるのが『リラックス効果』です。
その香りには、心を落ち着かせ、イライラを鎮める成分が含まれているとされています。
そのため、アロマテラピーにも使われています。
また『キンモクセイ』は、その香りの高さから、『沈丁花(じんちょうげ)』や『クチナシ』と並んで、
“香り高い木”、『三大香木』の1つにあげられています。
ちなみに、『キンモクセイ』の香りの成分に含まれる酵素の活動は、
午前中がもっとも活発で、夕方以降は落ち着くそうなんですネ。
・・・ということは、朝は何かとあわただしいですが、
『キンモクセイ』の香りが気分を鎮めてくれるということです。
【感想】
キンモクセイ。
私の実家のお庭の門を入って、すぐのところにあるんですが、
この季節に実家に帰ると、到着するやいなや、
キンモクセイの何とも言えないイイ香りが漂っていて、本当にホッとします。
またキンモクセイのお花が落ちると、地面が一面、金色に輝いて、とっても素敵なんですよネ。
キンモクセイの香り、私、大好きです。
9/29(金) 『彼岸花』
『彼岸花』は中国が原産で、一般的には鮮やかな紅い色をしています。
この『彼岸花』という名前ですが、“秋のお彼岸の頃に咲く”というところから、付いたとされています。
ちなみに同じお彼岸でも、春のお彼岸には咲かないそうです。
その理由ですが、『彼岸花』は秋にキレイな花を咲かせたあと、葉が出てきます。
その葉は寒い冬でも元気に生い茂りますが、晩春から初夏になると、枯れてしまい、その後、休眠期間に入ります。
そして9月に入ると休眠から目覚め、秋のお彼岸の頃になると、一斉に花を咲かすからだそうです。
『彼岸花』は見た目がとっても鮮やかですが、実は全体に毒の成分を含んでいます。
その中でも特に球根の部分に多く含まれていますが、この毒が他の植物の生育を妨げることから、
“雑草対策”の効果が期待されるそうなんです。
さらにこの毒を嫌って、ネズミやモグラなどが逃げることから、
古くから田んぼのあぜ道に『彼岸花』を植えて、大切な田んぼを守ったといわれています。
『彼岸花』は、別名『曼珠沙華(まんじゅしゃげ)』ともいわれています。
これは古代インドの言葉、『サンスクリット語』で“天の世界・天界に咲く花”という意味で、
“見る者の悪業を払う”といわれています。
【感想】
確かに田んぼのあぜ道に、よく咲いている光景を目にしますよネ。
真っ赤でドラマティックなお花。秋のお花、魅力的ですよネ。
【今週の感想】
ここ最近、いろいろなところから“彼岸花が見ごろを迎えています。”とか、
“彼岸花の赤い花が咲き誇っています。”という話題が届いていますネ。
今年は異常気象ともいえるほど、厳しい暑さが続いていますが、
それでも彼岸花のように、秋を代表するお花たちは、
ちゃんと季節の訪れを伝えてくれているんですよネ。
秋のお花たち、どれも本当に素敵で大好きです。
【お知らせ① 次週(10/2~)からのテーマ】
様々な料理の中から、『煮物』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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