夏バテを防ぐ食べ物として、古くから食べられているものの1つ『ウナギ』についてです。
■今週(7/24~7/28)のテーマ:『ウナギ』
7/24(月) 『ウナギの生態』
ウナギは太平洋や大西洋、インド洋の温帯の海域から熱帯の海域にかけて、広く存在しています。
ウナギには、“海で卵を産んで川で育つ”という特徴があります。
その卵から生まれた子どもたちが姿を変えながら、はるばる海を渡って、大陸を目指して成長していきます。
ウナギの赤ちゃんは『レプトセファルス』と呼ばれています。
写真を見ますと透明で、まるで葉っぱのような形をしているんですネ。
そこから『シラスウナギ』と呼ばれる稚魚へと変化していきます。
この時点で、色はまだ透明な部分が多いですが、形はウナギのようになっています。
このシラスウナギが成長して、私たちがイメージするウナギの姿になります。
そんなウナギですが、どこの海のどの辺りで産まれるのか?
ハッキリしたことは分かっていないそうなんですネ。
そんな中、『ニホンウナギ』という種類は、太平洋のマリアナ諸島の西側の海域に、卵を産む場所があることが分かりました。
これが発見されたのが2005年で、正式に発表されたのが翌2006年ですから、まだ新しい情報です。
そこで産まれたニホンウナギの赤ちゃんたちは、約2500キロもの距離を移動して、日本列島の沿岸にやって来るそうです。
【感想】
ウナギといえば、“『土用の丑の日』にはウナギを食べるとイイ”とか、
“ウナギは美味しい”とか、そんなイメージはありましたが、確かにその生態は謎に包まれていますよネ。
不思議な生物ですネ。
7/25(火) 『ウナギの豆知識』
現在、世界にいるウナギの種類は19種類とされています。
その中で食用とされるのは、『ニホンウナギ』、『ヨーロッパウナギ』、『アメリカウナギ』、そして『ビカーラ種』の4種類です。
ヨーロッパウナギとアメリカウナギは、『大西洋ウナギ』とも呼ばれています。
その名のとおり、大西洋で産まれるウナギですが、具体的には北米大陸の南側にあるサルガッソー海・・・というのが定説でした。
“定説でした”と過去形なのは、2020年に日本とフランスの共同の研究チームが、新しい説を発表したからなんです。
その説では、『サルガッソー海の東側にある「大西洋中央海嶺(かいれい)」付近に産卵場所がある可能性が高い』としています。
“海嶺”とは簡単に言いますと、“海底にある山脈”のことです。
この海域が大西洋ウナギの産卵場所ではないか?としています。
それでも約100年前に、サルガッソー海では実際にウナギの稚魚『シラスウナギ』が発見されていることから、
新しい説は“サルガッソー海を否定するのではなく、新たな海域の可能性を示したもの“だそうです。
そして『ビカーラ種』とは、東南アジアに生息するウナギです。
ニホンウナギが『絶滅危惧種』に指定される中、それに代わる養殖用のウナギとして注目されているそうです。
【感想】
ニホンウナギ、どうか絶滅しませんように・・・と願うばかりです。
でもウナギって、日本でしか食べられていないのかと思いましたが、世界でも食用されるんですネ。
どんな食べ方をするんでしょうネ。
ソースにからめて・・・とか、フライにして・・・とかになるんでしょうかネ。
日本のウナギ、美味しいですよネ。
7/26(水) 『ウナギの養殖』
日本のウナギの養殖の歴史は、東京で養殖の研究をされていた服部倉治郎さんによって始まりました。
ある日、服部さんは静岡県にあります浜名湖を見て、“ウナギの養殖に最適な場所”と確信されたそうです。
そして1900年(明治33年)、現在の浜松市にウナギの養殖用の池を作り、養殖を始めました。
服部さんがこの場所を選んだのは、気候が温暖であることや、
養殖に必要な天然水に恵まれていること、ウナギの稚魚『シラスウナギ』が豊富に採れることなど、
いくつもの良い条件が重なっていたため・・・といわれています。
その後、ウナギの養殖技術が全国へと広まっていきました。
2020年(令和2年)の養殖ウナギの生産量を見ますと、全国で一番多いのは鹿児島県で、全体の4割以上を占めています。
そのあとを愛知県、宮崎県、静岡県と続きます。
1位の鹿児島県には、“日本最大のウナギ養殖産地”として知られる大隅半島があります。
こちらは温暖な気候や広大な土地、良質な地下水といった、ウナギの養殖に最適な環境に恵まれているそうです。
また、太平洋のマリアナ諸島周辺で卵を産んで、
黒潮によって帰って来たシラスウナギがたくさん採れることも、大きな理由だそうです。
【感想】
通販サイトでも『大隅半島のウナギ』とか、『宮崎産のウナギ』というのが有名ですよネ。
私の地元・茨城県にあります牛久沼は、“うな丼発祥の地”として有名で、美味しいうな丼が食べられるお店が何軒もあるんですよネ。
養殖でも天然でも美味しいウナギ、これからもずっと食べることができますように・・・。
7/27(木) 『ウナギの雑学①』
ウナギの調理法のひとつに、『蒲焼き』があります。
ウナギやアナゴ、ハモ、イワシなどを開いて、骨を取って、お醤油やみりんなどで作ったタレをつけながら焼いたお料理のことです。
この『蒲焼き』という名前ですが、諸説ある中、昔はウナギを開かず、竹の串に刺して丸焼きにしていたそうなんですネ。
その形が『蒲(がま)』という水草の『穂』の部分、“蒲の穂”に似ていることから、“がまやき”と呼ばれていて、
それが蒲焼きになったといわれています。
そして、江戸時代の頃にウナギの蒲焼きが本格的に知れ渡るようになったそうです。
そんな“ウナギの開き方”ですが、関東は“背開き(背中から)”、関西は“腹開き(お腹から)”といわれています。
この違いですが、江戸時代、関東は“武士の文化”で、お腹を開くのは“切腹”をイメージさせ、
“縁起が悪い”と嫌われたことから、背中から開くようになった・・・といわれています。
それに対して関西は“商人の文化”で、“お客さんとは腹を割って話せるように“と、お腹から包丁を入れていたそうです。
さらに関東では、一度焼く“白焼き”をしてから、蒸したものをタレにつけて焼きますが、関西では蒸さずに直火で焼きます。
関東ではウナギを蒸すのは、江戸っ子はせっかちで気が短いことから、
注文を受けてから少しでも早く出せるように・・・という思いからともいわれているそうです。
【感想】
関東・関西、どちらのウナギも本当に美味しいですよネ。
それにしてもよく、あんなツルツルしたものをつかんでさばけるなぁって、職人さんの手仕事のすごさを感じますよネ。
7/28(金) 『ウナギの雑学②』
“季節の移り変わりを表わす言葉”の1つに、『土用』があります。
『土用』は春・夏・秋・冬、それぞれにありますが、その中でも『夏の土用の丑の日』には、“ウナギを食べる風習”があります。
その理由には諸説ありますが、例えば『夏バテを防ぐため』です。
ウナギには、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあるビタミンAが、豊富に含まれています。
他にもビタミンB1、B2、ビタミンE、D、カルシウム、鉄分、亜鉛、人間の体に欠かせない“必須脂肪酸”の1つ、DHAやEPA、
そしてコラーゲンといった、夏バテ予防に必要な栄養素が豊富に含まれています。
ちなみに今年の『夏の土用の丑の日』は、7月30日です。
“ウナギを食べる文化”というのは日本だけでなく、外国にもあるそうなんですネ。
日本では『蒲焼き』が一般的ですが、例えばヨーロッパでは『ウナギの燻製』がポピュラーだそうです。
そのままパンに乗せたり、サンドイッチにしたりするそうなんですネ。
他にもフランスでは、ウナギをワインで煮込んだり、スペインではウナギの稚魚『シラスウナギ』をアヒージョにしたりするそうです。
【感想】
私の母はウナギを食べると、目に見えて本当に元気になるんですが、ウナギの栄養って素晴らしいものがあるんですネ。
7月30日は『土用の丑の日』で、鰻屋さんは混みそうですが、ぜひ今年も召し上がって、この暑い夏を元気に乗り切っていきましょう。
【今週の感想】
今週の放送を聴いていただいて、お分かりかと思いますが、私、ウナギが大好きなんです。
蒲焼きも白焼きも美味しいですし、関東のふわふわした焼き方も、関西の直火の焼き方も、どちらも好きです。
特に厳しい暑さが続くこの夏、
『土用の丑の日』以外にもウナギを食べて、元気に過ごしたいなぁ~と思いつつ、
もう少しお値段がお安くなってくれたらなぁ・・・とも思ってしまう私です。
【お知らせ① 次週(7/31~)からのテーマ】
川などを渡る時に使うもの、『橋』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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