お彼岸にいただく『ぼたもち』や『おはぎ』にも使われている
『あんこ』についてです。
■今週(3/21~3/25)のテーマ:『あんこ』
3/21(月) 『ぼたもちやおはぎに使われるあんこの違い』
春のお彼岸には『ぼたもち』、
秋のお彼岸には『おはぎ』をお供えしますが、
どちらも『あんこ』が使われていますよネ。
ぼたもちは、春のお彼岸の頃にお花を咲かせる牡丹が由来で
おはぎは、秋のお彼岸の頃にお花を咲かせる萩が由来です。
一般的にぼたもちとおはぎを比べた時、
“ぼたもちのほうが大きい”とされていますが、
これってお花の大きさに関係しているんですネ。
牡丹のお花は大きいので、ぼたもちは大きめで、
萩のお花は小さいので、おはぎは小ぶりといわれています。
ここから本題のあんこのお話ですが、同じあんこでも
ぼたもちは『こしあん』、おはぎは『つぶあん』という説があります。
その理由ですが、あんこの材料である小豆にあるそうなんです。
秋に収穫したばかりの小豆は皮が柔らかいので、
そのまま潰して食べることができます。
そのため秋のおはぎには、つぶあんが使われていたんです。
ところが冬を超えて春になると、小豆の皮が固くなってしまうため、
ぼたもちには皮を取り除いた、こしあんが使われていたそうなんです
現在では小豆の品種改良や保存の技術の進歩によって、
季節を問わず、つぶあんが作れるようになりました。
そのためぼたもちに、こしあんもつぶあんも
使われるようになったそうです。
よくネ、“こしあんとつぶあん、どっちが好きですか?”って
聞かれますが、私は正直、どちらも好きです。
あんこって子どもの頃は苦手で食べなかったけど、
この頃好きになりましたねぇ。
クロワッサンにあんこも合うし、
洋のモノにもあんこって、結構合いますよネ。
3/22(火) 『あんこの種類』
『つぶあん』。
小豆を潰さないように炊いたあんこのことです。
小豆そのものの美味しさが楽しめます。
『こしあん』。
小豆を炊いたあと裏ごしして、外側の皮を取り除いて練り上げた
あんこです。見た目にもキレイですよネ。
『つぶしあん』。
つぶあんの粒をあえて潰して、炊き上げたあんこのことです。
こしあんよりも小豆の味をしっかりと楽しむことができます。
『小倉あん』です。
大粒の小豆を甘く煮て、こしあんに混ぜて作ったあんこのことです。
この『小倉』とは京都の小倉山(おぐらやま)のことで、
この周辺で栽培された『大納言』という、
大粒の小豆を使って作られたことから、
この名前が付いたといわれています。
『うぐいすあん』です。
小豆ではなく、青えんどうで作られていますので、
色が緑色をしています。
青えんどうは『グリンピース』とも呼ばれています。
『白あん』。
白いんげん豆や白花豆から作られたあんこです。
その名のとおり、見た目が白っぽいあんこです。
あんこにもたくさんの種類があるんですねぇ。
でも私、『つぶあん』と『つぶしあん』は同じものと思っていましたが、
ここにも違いがあって、昔の人は小豆ひとつとっても、
これだけの種類を作って
あんこを楽しんでいたんですネ。
でも何で“あん”に“こ”を付けて、“あんこ”っていうんでしょうネ。
“あんこ”って何か可愛い名前ですネ。“あんこ”(笑)
3/23(水) 『お汁粉とぜんざいの違い』
お汁粉とぜんざいの違いですが、関東と関西では
その解釈が変わってくるそうなんです。
関東の場合、“汁気があるもの全般”を『お汁粉』と呼びます。
その中でも“つぶあんを使ったもの”を『田舎汁粉』、
“こしあんのもの”を『御前汁粉(ごぜんじるこ)』と呼んで
分けることもあるそうなんですネ。
そして“汁気がないもの”のことを『ぜんざい』と呼んでいます。
・・・ハイ、そうです。関東ではそうです。
それに対して関西では、
“こしあんで汁気があるもの”のことを『お汁粉』、
“つぶあんで汁気があるもの”のことを『ぜんざい』、
そして“つぶあんで汁気がないもの”のことは
『亀山』と呼ぶんだそうです。へぇ~。
この『亀山』という呼び名の由来には、諸説ありまして、
例えば『小豆の産地である京都・丹波の亀山から・・・』という説。
他にも『岐阜県出身の亀山さんという方が、明治の後半に大阪の天満で
「亀山屋」というお餅屋さんを開き、
そこで“お餅につぶあんをかけたもの”を売り出したところ、評判となり、
「亀山」と呼ばれるようになった・・・』という説です。
こうした『お汁粉』と『ぜんざい』の呼び方が違う理由というのは、
ハッキリと分からないそうなんです。
整理しますと、関東で『ぜんざい』と呼ばれているものは
関西では『亀山』のことで、関西の『ぜんざい』は
“関東のつぶあんのお汁粉”のことなんですネ。
違いはよく分かったんですけど、
これ、なかなか覚えられないかもしれませんネ。
“こしあんで汁気のあるもの”は両者、『お汁粉』ということは
よく分かりました。
オーダーする時に“これ、汁気ありますか?”って聞くのが、
手っ取り早いかもしれませんネ。
3/24(木) 『赤福餅』
『赤福餅』は、三重県伊勢市にあります和菓子屋さん『赤福』の商品で、
“お餅の上にこしあんをのせた餅菓子”のことです。
誕生は今から300年以上前の江戸時代で、
今では“伊勢の名物”として知られています。
この『赤福』という名前ですが、
『赤心慶福(せきしんけいふく)』という言葉が由来とされています。
赤心慶福の『赤』と『福』を取って
『赤福』なんだそうです。
この赤心慶福という言葉には
『赤子のようないつわりのないまごころを持って
自分や他人の幸せを喜ぶ』という意味があります。
これって、“お伊勢さんの参道を歩く時の、清らかな気持ちで
まごころを尽くし、その人の幸せを自分のことのように喜びましょう“という
“伊勢神宮をお参りする方の心”を表わしているそうなんです。
また赤福餅の形は、伊勢神宮の周辺を流れる五十鈴川(いすずがわ)の
せせらぎをかたどったものだそうです。
そして、あんこについている3本の筋の形は『清流』、
白いお餅は『川底の小石』を表しているそうです。
私、以前、お仕事で赤福本店さんにお邪魔した時、
作りたての赤福をいただいたんですが、これがもう最高でした。
さらに、赤福の作り方も見せていただきました。
本店でいただくのって、お餅がビューンと伸びるんですネ。
それから“3本の清流”っていうのは、
キレイな女性が3本の指でピッ!って、なぞって作っていたんですネ。
作り方がすごくキレイで美味しかったです。
3/25(金) 『あんこにまつわるある疑問』
その疑問とは『あんこの缶詰のことを
「ゆであずき」と呼ぶのはどうして?』。
『無糖ゆであずき』のように、茹でた小豆に何も味付けしないで
そのまま缶詰にしたものもありますが、
“ゆであずき=あんこの缶詰”っていうイメージ、ありますよネ。
この缶詰の『ゆであずき』は、関東でいう“つぶあんのお汁粉”、
『田舎汁粉』に似ていますが、お餅は入っていません。
『日本(にっぽん)あんこ協会』さんによりますと、
“小豆を茹でで炊いて、汁気を十分に残したまま、
甘味を加えたもののこと“を『ゆであずき』と呼ぶそうなんです。
そんな“甘いゆであずきの缶詰”が発売されたのは、
大正時代の後半から昭和の初めにかけてです。
ところが当時の技術では、ゆであずきを“汁気のある状態”で
缶詰にすることは難しかったそうなんですネ。
そのため“汁気がなく、小豆がトロリとなった状態”で
缶詰にしていたそうですが、これって“茹でた小豆”というよりも、
“あんこに近い状態”ですよネ。
こうした経緯もあって、“あんこの缶詰”の意味で、
『ゆであずき』という名前が定着した・・・といわれているそうです。
そんな缶詰の『ゆであずき』ですが、いろいろ使えて便利ですよネ。
甘味がちょっと足りないな・・・と感じた時、お砂糖やお塩を
ちょっと加えたりしている方も多いそうです。
私の地元(茨城県常総市)に、ソウルフードっていうのがありまして・・・
それは私の同級生が作る『荒井パン』の
あんぱんだったりするんですネ。
それから、大好きな先輩が現場に差し入れしてくださるのも
生クリームが入ったあんぱんだったり・・・
あんこは日本人にとって、ソウルフードなのかもしれませんネ。
■今週の感想
あんこって身近な存在なのに、
こんなにも種類や作り方があって、
奥深い食べ物なんだと正直、知りませんでした。
昔の方の知恵って、本当にすごいですよネ。
あんこ以外にも甘いものはたくさんあるのに、
あんこの甘さって他にはないと思いません?
番組でもお話しましたが、あんこって
日本人のソウルフードのひとつなのかな・・・って思いました。
【お知らせ① 次週(3/28~)からのテーマ】
お子さんが小学校に入学する時に、買うものの1つ
『学習机』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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