お店で食べるのはモチロン、ご家庭で作ったり、
コンビニでも人気商品の1つ『おでん』についてです。
■今週(11/2~11/6)のテーマ:『おでん』
11/2(月) 『おでんとは』
串に刺したお豆腐に、お味噌をつけて焼いたお料理に
『田楽豆腐(でんがくどうふ)』があります。
略して『田楽』とも呼ばれています。
お豆腐の他に、里芋やコンニャクを使ったものも
『田楽』といいますが、元々は田楽=お豆腐なんだそうです。
『田楽』は室町時代の頃に既にあったといわれていますが、
おでんのルーツはこの『田楽』だとされています。
『おでん』という名前の語源ですが、
『田楽』に丁寧言葉の『お』を付けて『お田楽』になって、それが略されて
『おでん』になったというのが通説とされているそうです。
そうなると現在のように“煮込んであるおでん”は、
いつ頃登場したのでしょうか?
江戸時代後半、現在の千葉県銚子や野田でお醤油造りが盛んになって、
お醤油味の煮込みおでんが生まれた・・というのが
定説とされているそうです。
しかし、この当時の“煮込みおでん”とは串に刺した里芋や
コンニャクをお湯で煮て、味噌だれを塗ったものを指していて、
お醤油のつゆで煮込んだおでんはこの時代はまだ無かった・・
という説もあるそうです。
いずれにしても幕末から明治時代には、
お醤油の汁で煮込んだおでんがあったことは間違いないそうです。
なるほど。おでんという名前が当たり前すぎて、
何でおでんというのか?考えもしませんでしたが、
田楽から来たんですネ。
おでんが恋しい季節になってきましたネ。
11/3(火) 『おでんの歴史』
明治時代、現在のような“お醤油の汁で煮込んだおでん”が
東京で定着するようになりましたが、大正時代になると
関西にも伝わったとされています。
東京の料理人によって大阪に持ち込まれた煮込みおでんは、
味噌だれのおでんの『田楽』と区別して、
『関東煮(かんとだき)』と呼ばれるようになりました。
最初は『かんとうだき』と呼んでいたのが、
『かんとだき』になったそうです。
関西では“煮る”ことを“炊く”といいますが、
同じように『かんとだき』と呼んでいるそうです。
そんな『関東煮』ですが、
その後、様々な工夫や改良がされていきます。
そして1923年(大正12年)、関東大震災によって
東京を中心に大きな被害が出た時、関西からたくさんの料理人が
東京に駆けつけて、炊き出しとして被災者の方々に
ふるまったとされています。
つまり、東京で生まれたおでんが大阪で進化して、
再び東京に戻って来たことになります。
こうした『関東風のおでん』と『関東煮』の違いですが、
1つは味付けです。
関東風は、濃口醤油とかつお節。
関東煮は、薄口醤油とかつお節をベースにして味付けします。
おでんのルーツは関東から始まったんですネ。
私は関東の生まれなので、
お醤油ベースのおでんはモチロン好きなんですが、
関西のお出汁が効いた薄口のおでんも大好きです。
おでんはどんどん進化しているんですネ。
11/4(水) 『関東と関西のおでんの違い』
使うお醤油が『濃口』と『薄口』以外にも、
関東風と関西風のおでんの大きな違いが『具』です。
関東風のおでんの具の代表的なものといえば、
ちくわぶやはんぺん、つみれ、すじ・・などです。
この中でもちくわぶは、関東以外の方は馴染みがないかも知れませんネ。
説明しますと、小麦粉にお水とお塩を加えて練ったものです。
真ん中はちくわのように穴が開いていて、
外側は歯車のようにギザギザしています。
はんぺんも、東日本では使われることが多いですが、
西日本ではあまり馴染みがないそうです。
すじとは『すじかまぼこ』のことで、
サメの軟骨などを使った練り物です。
同じ『すじ』でも関西では、『牛すじ』のことをいいます。
関西風のおでんには、この牛すじやタコが欠かせないそうです。
また関西では、クジラを食べることが多かったことから、
おでんにも使われるそうです。
例えば『さえずり』。クジラの舌の部分です。
フワフワで弾力があって、クジラの濃厚な味がずっと続くそうです。
そして『コロ』。
クジラの皮の部分を油で揚げて乾燥させたものです。
それを柔らかくするために、煮込んで仕上げます。
淡白な味わいながら、プルプルふわふわした食感が
楽しいそうです。
同じ『すじ』でも関東と関西では、全然違うものなんですネ。
私はサメもほとんど食べたことがないですし、
こうなったら日本全国のおでんを食べ比べてみたいものです。
11/5(木) 『静岡おでん』
静岡おでんは静岡の方にとってのソウルフードで、
地元では『しぞーかおでん』と呼ばれているそうです。
大正時代、戦後の食糧難の時、それまで処分していた牛スジや
豚モツを材料として煮込んだことで広まったともいわれています。
静岡おでんには“五ヶ条”と呼ばれる5つの特徴があります。
その① 『黒はんぺんが入っている』。
黒はんぺんとは、サバとイワシを使った練り物で、
骨も皮も取り除かずに使うので色が黒いそうです。
静岡おでんには欠かすことができない食材で、
地元の方はおでん以外にもフライにしたり、
日常的に食べられているそうですよ。
へぇ~、これよく聞きます。
その② 『スープが黒い』。
主に牛すじでダシをとって、お醤油で味付けされています。
それぞれお店によって、独自のレシピがあるそうです。
静岡の黒いおでんはそういう意味なんですネ。
その③ 『具が串に刺してある』。
黒はんぺんを始め、コンニャクやちくわ、大根、玉子、
牛すじといった具がすべて串に刺さっています。
これって食べやすそうですよネ。
その④ 『食べる時に、青海苔やだし粉(こ)をかける』。
このだし粉とは、イワシの煮干しを削って粉にしたものです。
なんかお好み焼きを食べるみたいですよネ。
その⑤ 『駄菓子屋さんにもある』。
子どもの頃、学校の帰りに近くの駄菓子屋さんに寄って、
おでんを食べた思い出を持つ方も多いそうです。
駄菓子屋さんで食べるんですネ。
健康的なおやつでイイですネ。
静岡の人たちにとって、おでんは特別なものなんですネ。
11/6(金) 『金沢おでんと名古屋おでん』
『金沢おでん』とは、昆布ダシなどの澄んだつゆで具を煮込んだものです。
その具材が個性的で、リング状になったお麩『車麩』や『バイ貝』、
練り物の『ふかし』、赤い渦巻き状のカマボコ『赤巻』、
地元では“香箱ガニ”と呼ばれるメスのズワイガニの甲羅に
身や卵を詰めた『カニ面』、その他、地元の加賀野菜などが
使われています。
私は金沢に行くと、金沢おでんをいただくのが楽しみなんですが、
カウンターだけの小さなお店で、
加賀野菜の『源助だいこん』や『車麩』を食べて、
ほっこりするのが好きです。
続いて『名古屋の味噌おでん』です。
大豆だけを原料に造られた『豆みそ』の1つ、
『八丁味噌』をベースにした甘めのつゆで煮込んだおでんです。
具はお豆腐や大根、コンニャク、玉子、里芋、牛すじなどです。
どれも八丁味噌でじっくりと煮込んであるので、
どれもこれも赤茶色っぽい色をしています。
関東のおでんの定番である練り物は、お味噌の味とマッチしないので
入れないそうです。
名古屋といえば八丁味噌。
こちらも体の芯から温まって美味しいですよねぇ~。
これも大好き!
寒くなってきますと、お腹の中から温まるおでんが
本当に嬉しいですよネ。
私はどうしても大根とか、ちくわとか、コンニャクとか
昔からあるような具材が好きなんですけども、
これからいろいろ日本全国のおでんを勉強して
試してみたいなと思います。
■今週の感想
今週、東京では3年ぶりに木枯らし1号が吹きました。
11/7は『立冬』。暦の上では冬が始まります。
番組でもお話しましたが、寒くなってくると
おでんの温かさが嬉しいですよネ。
おでんはその土地によって味も具材も違いますが、
今回ご紹介できたのは、ほんの一部です。
おでんの世界は本当に奥深いですから、
もっともっとおでんのことが知りたくなりました。
今週の放送を聴いて、おでんが食べたくなった方、いらっしゃるかな?(笑)
【お知らせ① 次週(11/9~)からのテーマ】
毎年この時期の行事の1つ、『七五三』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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