手軽に食べられて美味しいフルーツの1つ、『ぶどう』についてです。
■今週(8/17~8/21)のテーマ:『ぶどう』
8/17(月) 『ぶどうの基本情報』
ぶどうは古くから北半球で栽培され、
世界で最もたくさん生産されています。
その種類は1万を超える・・・といわれているそうですよ。
古代エジプトの壁画などにも、ぶどうを栽培している様子が描かれていて、
当時からぶどうを育ててきたことが分かっています。
ぶどうの品種は西アジアを原産地とし、
のちにアジアやヨーロッパへと広がった『ヨーロッパ系の品種』と
北アメリカを原産地とする『アメリカ系の品種』に分かれます。
さらに『この2つを掛け合わせた品種』というのもあります。
ぶどうにはそのまま食べる”生食用”と、
”ワインの原料用”などがあります。
世界で生産されるぶどうの約7割は”ワインの原料用”ですが、
日本では”生食用”が約9割を占めているそうです。
“日本のぶどうの産地”と聞いて、どこをイメージしますか?
”2019年産のぶどうの収穫量“が全国で一番多かったのは山梨県で
全体の21%を占めています。
その次に多かったのが長野県で18%。
そして、山形県と岡山県がそれぞれ9%です。
この4つの県で全国の約6割を占めているそうです。
以前、この番組でビワのお話をさせていただきましたが、
私はビワと同じくらい、ぶどうが大好きなんです。
そんなところからぶどうのことを知りたくなって、
今回、『ぶどう』をテーマにしました。
ま~るい粒が連なって房になっている、あの形が大好きなんです。
紫のもの、緑のもの、甘くて酸っぱくて、
巨峰にシャインマスカットにデラウェア。
ぶどうって素敵ですよネ。
8/18(火) 『日本のぶどうの歴史』
日本のぶどうの歴史には、大きく2つの説があります。
1つは奈良時代、行基(ぎょうき)というお坊様が
現在の山梨県で修行中、夢枕に”手にぶどうを持った薬師如来様”が
現れました。
そこで木を彫って、そのお姿と同じ薬師如来像を造って、
それを現在の山梨県甲州市勝沼にあります
大善寺(だいぜんじ)に置かれたところ、
ぶどうの木を発見したそうです。
これを薬草として育てたところ、村の人達にも広まって、
栽培が始まったとする説です。
そんな言い伝えから大善寺は
”ぶどう寺”とも呼ばれているそうです。
現在も大善寺には、ぶどうを手にされた薬師如来像があります。
もう1つは鎌倉時代の創成期の頃、勝沼に住む
雨宮勘解由(あめみや・かげゆ)さんが、
山ぶどうとは異なる植物を発見しました。
それを自宅に持ち帰って栽培を始めたとする説です。
どちらのぶどうも『甲州』という日本固有の品種として
主に白ワイン用として栽培されています。
その後の調べで、『甲州』のルーツは中央アジアと東ヨーロッパの
境界にあるカスピ海で、シルクロードを長い時間かけて
日本にたどり着いたことが分かっています。
大善寺の薬師如来像の写真を見たのですが、
ぶどうを手にした薬師如来像を見たのは初めてです。
とっても珍しいですネ。
この如来様、とっても満足そうな表情をされています。
きっとぶどうを手にして、お幸せなんでしょうネ。
8/19(水) 『日本で栽培されているぶどう』
ぶどうの栽培に適した条件の1つに
『雨が少なくて、乾燥している』というのがあります。
そのため日本のように、雨の多い土地は本来ならば
ぶどうの栽培には向かないそうです。
それでも研究者や生産者の方が品種改良に取り組まれた結果、
日本の気候にも合って、さらに病気や虫にも強い品種が
次々と誕生しています。
その結果、日本では生食用として60種類以上のぶどうが
栽培されています。
その中で、もっとも大きな面積で作られているのが『巨峰』です。
皮の色が紫を帯びた黒い色をしていて、粒の大きさと強い甘みから
”ぶどうの王様”と呼ばれています。
この巨峰ですが、農学者で栽培学者でもある、
大井上康(おおいのうえ・やすし)さんが”雨の多い日本でも栽培できる
美味しい大粒のぶどう”を目指して作ったものです。
大井上さんは現在の静岡県伊豆市に研究所を作って、
そこで大粒のぶどうの栽培に取り組みました。
そして苦労を重ね、『ヨーロッパ系の品種』と『アメリカ系の品種』を掛け合わせて、
1942年(昭和17年)に栽培に成功しました。
こうして誕生した大粒のぶどうには『巨峰』と名付けられました。
この名前の由来ですが、研究所から見える雄大な富士山の景色から
付けられたとされています。
へぇ~、巨峰の誕生ルーツ、初めて知りました。
何だかんだいって、私は巨峰が一番好きかもしれません。
なんてったって“ぶどうの王様”ですからネ。
ハァ~、ぶどうが食べたい・・・
8/20(木) 『ぶどうの豆知識①』
生食のぶどうが好まれる日本では、新しい品種のぶどうが次々と
登場することで、その人気も移り変わっています。
かつては、小粒で強い甘みと酸味が特徴の『デラウェア』など、
赤色系の品種が人気でした。
その後、『巨峰』を始めとする黒色系の品種が
人気となりました。
さらに”種なしで、皮ごと食べられる品種”に人気が集まり、
2006年(平成18年)に品種登録された『シャインマスカット』が
注目を集めています。
シャインマスカットは、黄緑色した大粒のぶどうです。
ぶどうの色は『アントシアニン』と呼ばれる色素によるもので、
同じアントシアニンでもいくつか種類があって、
その違いによってぶどうの色が変わってくるそうです。
またアントシアニンが含まれる量が多いほど、
色が黒っぽくなるそうですよ。
そして”種なしぶどう”は、花が咲いた時期のぶどうの房を
『ジベレリン』という植物ホルモンの溶液に浸けることで、
”種なし”になるそうです。
このジベレリンは元々、植物が持っているホルモンで、
安全性が確認されています。
但し、ぶどうの種類によっては種なしにしてしまうと、
本来の味が落ちてしまう・・・といった理由から、
種なしにしないものもあるそうです。
いつからかシャインマスカットが登場して、
ぶどうの世界が一変した・・・という記憶があります。
ぶどうの世界って、日に日に進化しているんですネ。
私以外にぶどう好きがいっぱいいるってことですよネ。
8/21(金) 『ぶどうの豆知識②』
ぶどうはヨーロッパでは”畑のミルク”と呼ばれるほど、
栄養が豊富だといわれています。
ブドウ糖など、体に吸収されやすい糖質がたっぷり含まれているので、
疲労回復の効果が期待されます。
さらに、ぶどうの色素でもある『アントシアニン』は
ポリフェノールの一種ですので、動脈硬化の予防や
目の疲れに効果的とされています。
ぶどうの皮に白い粉がついていることってありませんか?
これは脂肪酸などでできた天然成分が、
皮の表面に浮き出たものです。
『ブルーム』、または『果粉(かふん)』と呼ばれています。
このブルームには、雨や朝露などの水分をはじいて
病気を防いでくれる働きがあります。
また果実から水分が蒸発するのを防いで、
鮮度を保ったりする働きもあります。
このようにブルームは、温度や湿度といった環境の変化から
果実を守ってくれています。
そのためブルームが少ないと、粒が割れてしまうことが多いそうです。
このブルームを農薬と勘違いされることがあるそうですが、
もちろん害はありませんし、むしろ新鮮さの証だそうですよ。
以前、夏の疲れが出て、元気が出なかった時、
知人がぶどうを送ってくれて、それをいただいたら
体がよみがえった記憶があって、それ以来、ぶどうが大好きな私です。
なるほど。“ブドウ糖”って言いますもんネ。
皆さんも疲れたらぜひ、ぶどうを食べてくださいネ。
■今週の感想
番組でもお話しましたが、
私はフルーツの中でも、特にビワとぶどうが大好きなんです。
皮をむいたりといった手間がなくて、手軽に食べられるところもイイですネ。
今週はぶどうのお話をしていて、ぶどうが食べたくなりました。
疲労回復にもオススメです。
引き続き、厳しい暑さが続いています。
コロナ対策で大変な状況下ではありますが、
熱中症の対策も必要です。
どうぞ皆さま、お体を大切に。
一緒にこの暑さとコロナを乗り切りましょうネ。
【お知らせ① 次週(8/24~)からのテーマ】
交通安全に欠かせない『信号機』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
2025.05.02
2025年4月28日週 テーマ「昭和」
今年2025年は『昭和』の元号にあてはめますと、ちょうど100年になります。そこで『昭和』についてです。 ■今週(4/28~5/2)のテーマ:『昭和』 ...
2025.04.25
2025年4月21日週 テーマ「シジミ」
お味噌汁の人気の具材のひとつ、『シジミ』についてです。 ■今週(4/21~4/25)のテーマ:『シジミ』 4/21(月) 『日本のシジミ』 &...
2025.04.18
2025年4月14日週 テーマ「本音と建前」
“日本の文化を象徴するもの”のひとつ、『本音と建前』についてです。 ■今週(4/14~4/18)のテーマ:『本音と建前』 4/14(月) 『本音と建前...
2025.04.11
2025年4月7日週 テーマ「遊園地」
遊園地の中で、人気のアトラクションのひとつ『観覧車』についてです。 ■今週(4/7~4/11)のテーマ:『観覧車』 4/7(月) 『観覧車の歴史』 ...
2025.04.04
2025年3月31日週 テーマ「キャベツ」
季節を問わずお店に並んでいて、“いつでも手に入る身近な野菜”のひとつ、『キャベツ』についてです。 ■今週(3/31~4/2)のテーマ:『キャベツ』 3...