「ニッポン手仕事図鑑」編集長の大牧圭吾さんが登場。
「ニッポン手仕事図鑑」は日本の伝統工芸などに携わる職人さんたちの
技術や思いを映像で伝える動画メディア。
昨年おこなわれた「ニッポンものづくりフィルムアワード2024」の受賞作品や、
2021年から始まった「後継者インターシップ」の取り組みについて伺うなど、
日本の伝統工芸やモノづくりについて伺いました。
※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。
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ニッポンものづくりフィルムアワード2024 詳しくは、コチラ
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「ときめくニッポン職人図鑑」(オークラ出版)コチラ
「子どものためのニッポン手仕事図鑑」(オークラ出版) コチラ
「ニッポンものづくりフィルムアワード2024①」
「ニッポンものづくりフィルムアワード2024」という
映像コンペティションが行われ、今年1月に発表、表彰が行われた。
応募総数63本。
地域の文化を残していくという人や
新しいチャレンジをされてる方など、
いろいろ価値観を持って取り組まれてる職人さんが多い
というのを改めて実感したアワードになった。
グランプリを受賞したのが「THE LIFE ARTIST~塩匠・井上雄然」。
井上さんは塩作りの匠。
塩を作るには、海水が綺麗でないといけないということで、
日本全国の海水を舐め歩き、山口県のその海が一番いいと
選び、移住された。
この作品は、ものづくりだけではなくて、
環境を守ること、そして、自分の人生、暮らしをどう作っていくか、
作り手の方の生活から見えたのも、心動く大きなポイントだったと思う。
また、後継者ということにも目を向けた作品。
その土地で働いて暮らす人がいなくなると、
町自体が消滅してしまう可能性もある。
そこで仕事を作ることが、その町を守っていく、
未来に繋げていくというところにも繋がってくる。
そういったメッセージがあったということも
グランプリ受賞には大きいと思う。
「ニッポンものづくりフィルムアワード2024②」
「ニッポンものづくりフィルムアワード2024」の受賞作品で
印象に残っている作品のひとつが「外国人初の刀鍛冶」。
日本人以上に日本のことを理解しようという姿勢もあった。、
今後人口少なくなってくる中、伝統工芸の担い手を守っていく上で、
若い人はもちろんだが、熱い思いを持った外国の方が
受け継いでいくというのも、すごく大事な選択肢になる。
その中で、あのような方が被写体になってくれたことは嬉しかった。
そのほかには学生の作品の「シミズ時計店」。
映像のクオリティももちろん大事だが、
どう被写体と向き合うかっていうことが大事で、
実力的には少し足りない部分はあるが、
学生の方があの中で受賞できたっていうのは、
主催者としてはすごく嬉しかった。
時計も含め、大事なものを直して使うという
文化を継承している職人さんはすごく多い。
大量生産、大量消費じゃない時代の中で、
ものをいかに大事につかっていくかというところに
フォーカスされるようになってきた。
しかし、技術がないと直せないものが日本には多かったりするので
モノを直せる職人さんが注目される機会が増えたとは思う。
「後継者インターンシップ」
2021年から「後継者インターンシップ」という取り組みを
おこなっていて、参加者が累計で3200名を超えた。
産地の事業者さんごとにインターンシップを開催。
雇う方を募集すると、いつも大体20~30名は応募してくださるが
選ばれる方は1、2名ぐらい。
インターンシップは基本的には1泊2日か、2泊3日、一緒に過ごす。
その時間の中で、職人さんが、この人を弟子にしたいと決め、
応募者の方もここで働きたいっていう気持ちを固めていただく。
ちょっと長めの面接みたいな感じでやっている。
後継者の方の経験はまちまち。
職人さんによっても、ある程度学んできてもらいたいという人もいれば、
まっさらな状態で1から自分が教えた方がいいという人もいる。
育成方法としてはそれぞれの価値観の中でやってくださっている。
やはり人を1人雇用するということだったり、
若い人たちを本当にこの伝統工芸という、世の中で言うと斜陽産業と
言われてるところに足を踏み入れさせていいのかと
躊躇される職人さんは多くいらっしゃる。
しかし可能性がある産業だと思ってエントリーしてくれる方が
3200名超え、さらに、今、80名弱の人がすでに働き始めたりとか、
4月から働き始めたり、来年の4月から働き始めたりする。
そこは今後の希望になってくると思っている。
『ときめくニッポン日本職人図鑑』
『ときめくニッポン日本職人図鑑』(オークラ出版)という
31人の職人さんが登場する図鑑を発売。
昔ながらの伝統工芸の職人さんもいれば、
グローブや食品サンプルなど、
伝統工芸のイメージのない職人さんも登場してくれている。
日本には、いろいろな職人さんがいらっしゃる。
職人さんを紹介する時、技術のすごさとか、
もののすごさ、素晴らしさみたいなところにフォーカスをされるが、
どちらかというと、憧れる存在になってほしいと思い、
結構パーソナルな部分だったり、
商品紹介するときも、代表作ではなく、
例えばグローブの職人さんの初めて作ったグローブだったり、
べっ甲の職人さんが自分のために作った
べっ甲のオイルライターとか、そういうものを紹介している、
“この人みたいになりたい”という憧れの存在になってほしい
と思い、1冊の本にしてみた。
やっぱりベテラン職人さんだけが活躍している姿が見えてきても、
なかなか次につないでいくことが難しいと思う。
でも20代、30代の少し上の先輩がこう活躍してる姿を
見せてくれたら、自分もなれるかもしれないという、
希望につながり、チャレンジしてみようかと思う人たちが
増えてくるのではないかという期待が、今すごくある。
これからの目標
「ニッポンものづくりフィルムアワード」は
職人さんをいろいろな人に知ってもらうきっかけになる
ということがすごく実感としてあるので、続けていきたい。
伝統工芸は、3年、5年の職人さんが世に出るきっかけが
なかなかなかったりするが、素晴らしい仕事やってる人、
まだ半人前かもしれないが、思いを込めてやってる方がいる。
その人たちが少しでも世に出ていけると、
次に繋がる人も増えてくるし、その人たちを応援したいという
人たちも増えてくると思うので、
そういう人たちを世に出していく取り組みは
どんどんやっていきたいと思っている。
日本全国に埋もれてしまっている素敵な職人さんが
まだまだたくさんいると思う。
そういう人たちが世にでるよう、
自分たちだけではなく、普段からモノを使ってる方が
いいものを見つけたら近くにいる人に話すだけでも
知ってもらうきっかけになり、
伝統工芸はもっと広がっていくのではないかと思う。
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