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2025.03.21

「国境デスロード」の大前プジョルジョ健太さんに聞く、自らのルーツと番組にこめる思い

映像ディレクターの大前プジョルジョ健太さんが登場。

ギャラクシー賞を受賞した「不夜城はなぜ回る」を企画・担当した

元TBSのテレビディレクター。

フリーの映像ディレクターになったのはなぜか、

そして、世界各国にある国境を超える人々に注目した話題の番組

「国境デスロード」について、撮影秘話もまじえて伺いました。

 

※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。

 

仕事HP コチラ

YouTube コチラ

ABEMA TV 「国境デスロード」 コチラ

X コチラ

 

TBS退社~フリーの映像ディレクターへ       

28歳でTBSを退社。

気づいたら辞めていたというのが本音。

自分が辞めるというドキュメントを取りたいなと思った。

20代は転職や会社を辞める人が多いが、

自分もそういった悩みをもっていた。

だったら、自分が会社を辞めるドキュメンタリーを

撮ってみるのがいいのではないかと思い、撮り始めた。

カメラは自分でまわした。

放送したかったが、退職までの流れをすべて知りたかったので、

人事部へ「退職します」というところなども隠し撮りしており、

それが見つかってしまい、絶対に放送できないと言われた。

実際に退職届を書いて、その映像もとっていたので、

やめるしかないかと思い、気づいたら辞めていた。

これから先、ドキュメント映像ディレクターでいくということは

20代でなかなか人生を決められるものではなく、

日々悩んでいる。

 

 

『国境デスロード』 

世界各国にある国境を命がけで超える人々の生活に密着する

ドキュメントバラエティ番組『国境デスロード』を制作。

これまでに8本撮った。

トランプ大統領の就任直前のメキシコでの撮影では

不法移民の方たちがメキシコからアメリカに渡る最後のチャンスと

川を渡って、アメリカへ入国しようとしていた。

それを、一緒に川に入って行こうとしたのだが、

氷点下の川で、寒い中、ずっと警備隊とやり合い、

最終的に催涙弾を撃たれて幕は閉じた。

氷点下の中で4~5時間ぐらい川の中にいたため、

低体温症で倒れてしまう方が結構多く、

移民同志でも助けようとするが、皆、自分の現状で精一杯で、

助けることができなかったので、自分が助けた。

それが、メキシコ全土のニュースになった。

日本人が不法移民を助けたことが違法なのではないか

という論調もあったし、逆に人を助けたという、

ヒーロー視してくれたところもあり賛否両論あった。

また、自分はカメラを置いて助けた。

このようなときに、撮影をするか、助けるか、という議論がよくある。

自分は撮ることも大切だとは思うが、迷わずカメラ置いた。

ディレクターとしてはきっとダメなんだろうと思うが、

人が倒れている時にそれを撮るのが自分は何かちょっと違うと思った。

 

 

自らのルーツと番組にこめる思い

『国境デスロード』という番組を撮ろうと思ったモチベーションは、

やはり自分が2世であるというところも大きい。

母親はインドネシア人で父親は日本人。

母はイスラム教徒。父は仏教。

宗教や考え方が違う、その間に自分はいた。

2つの国とか2つの文化が交わる間のグレーゾーンというのは、

とてもいろいろなことを考えさせられるし、

思うことがあるのではないかと思い、国境というものに目をつけた。

また、自分は会社を辞めて無職になったが、

ハローワークに行ったり、再就職できなかったりで、

バイトをしていた時に感じたのが、

会社を辞め、社会的地位がなくなると、

自分のアイデンティティというのはあまりないということ。

やっぱり国境に行こうとする人たちとか、国境に暮らしてる人は、

自分の国籍というアイデンティティが実はグレーであったり、

国籍がなかったり、自分の国を捨てて違う国に行く人もたくさんいたので、

今の自分だからこそわかることもあるのではないかと思い、国境へ行った。

グレーゾーンなことは世の中にはたくさんあり、

そういったことを知ることができるのが国境は大きいと思った。

 

 

『国境デスロード』 撮影での思い

TBSにいた時、コロナ禍の報道にいて、

日々世の中が変わっていく状況で、取材する側としては

アドレナリンがものすごく出ていた。

『国境デスロード』の撮影で国境に行った時は

平常心で、圧倒的にアドレナリンが出ていない。

実は最初はアドレナリンがガンガンに出ていた。

自分は友達として撮影してたつもりだが、現地通訳の方から、

「お前がやってるのはただの偽善でしかないし、ハイエナでしかない

友達として助けたいんだったら、友達としてそこに住めばいいし。

映像として世の中に出したいのだったらそう言えばいい。

ある種ハイエナになるというスタンスをちゃんと持て」

といわれ、喧嘩になった。

確かに自分の立ち位置っていうのを明確に持っていなかった。

そのことを自覚しなくてはいけないと本気の喧嘩をして気付いた。、

メディアという暴力性と言うか、ハイエナであることに気付いたときに、

アドレナリンになって出ていると自分も客観的に見ることができた。

今はアドレナリンが出てるから気を付けなくてはいけないと

自制し撮影している。

ハイエナであるっていうことは認めつつも根底にあるのは、

友達の様子を撮らしてもらってるということは、1番大事にしている。

 

 

これからの夢・目標

現在は映像の仕事がありつつ、

自分のパートナーがオーストラリアに住んでいるので

オーストラリアを拠点に日本に行ったり、南米に行ったり、

ロケに行ったりするという生活。

この夏にやろうとしているのが「辺境町中華」という企画。

国境に必ずあるのが「町中華」だと、

国境に長くロケしていて気がついた。

例えばアマゾンにある町中華。

本当にいろんなところに町中華はある。

行ってみて何故町中華があるのか分かったことがある。

国境であったり、辺境な場所に行くほど、

地元民の力はわりとなくなり、グレーになっていく。

そうなってくると、中国の華僑と呼ばれるところが力を持ってくる。

二国間のグレーなところを華僑は政治家とかとうまくやっている。

チャイナタウンは世界中にあるが、ジャパニーズタウンがない

というのは、政治家と絡めてないから。

そういった、料理、町中華から、

そのグレーゾーンがどうなってるか掘り下げていこうと思う。

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