去年、現役を引退したサッカー元日本代表の大久保嘉人さんが登場。

引退を決意した本当の理由、支えてくれた家族の絆、

そして、大阪での三男との二人の生活、主夫としての奮闘について

伺いました。

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現役引退について

昨年１１月１９日の引退発表の３日前に引退を決めた。

普段通りに練習から帰るときにふとやめようと思ってやめた。

今年のキャンプのことを考えた時、やっている自分を全然想像できなかった。

これまではキャンプから頑張るぞ！と思えたのに、全く思えなかった。

それで現役引退を決めた。

身体的にも痛いところもなく、まだやれる。といわれる状況でやめたかったので

ちょうどよかったと思っている。現役引退に全く後悔はない。

今はサッカーをしようとは思わない。サッカーボールにも触っていない。

今は、これまでのサッカーとは違うことにチャレンジしたいと思っている。

 

 

『俺は主夫。職業、現役Ｊリーガー』について

講談社から『俺は主夫。職業、現役Ｊリーガー』を出版。

昨年セレッソ大阪への移籍の際、単身で行くつもりで考えていたところ

三男の希望で一緒に大阪での生活を始めることになり、

家事育児をこなす主夫としての役割をこなすサッカープレイヤーに。

大阪に一緒に行きたいと言った三男は当時３年生。９歳。

２人での生活が始まったが家事は全くやったことがなく、

ごはんも目玉焼きしか作ったことがなく、大丈夫かと心配だったが、

きっちりしようとは思わず、どうにかなる精神でやった。

自分はアスリートでも、食事は食べたいものを食べたい時に食べるのが

ストレスがたまらずに良いと考えていたので、

食事は子供中心。子供が食べたいものを作った。

子供にとって二人の生活は楽しかったようで今年もやってほしいと言われた。

 

 

三男との大阪での主夫生活

講談社から出版された『俺は主夫。職業、現役Ｊリーガー』には

大阪での９歳の三男との２人暮らしの奮闘ぶりが綴られている。

子供のために作った「ピカチューのお弁当」の写真も載っている。

そのお弁当を子供は、中身を知らずに遠足に持って行ったが、

食べるときには、ぐちゃぐちゃになってしまっていた。

お弁当のエピソードは、Ｊリーグの仲間からは、

「嘉人さんがやっているんだからあなたもやってよと

奥さんに怒られるからやめてくれ」と、ブーイングを受けた。

そのほか、子供との二人暮らしで印象に残っているのは、

二段ベッドだったが、結局２人で下の段に寝ていたこと。

子供が夜中に何度もトイレに起きるが、

その時、自分をまたいでいくので、一緒に起きてしまうということも。

そのような二人暮らしを体験し、主婦の大変さが身に染みた。

例えば、バスタオルは1回使ったらすぐ洗っていたが

１回使っただけで洗うのはもったいないと思うようになった。

 

 

現役時代のサッカーへの思い　　　　　

自身は、やんちゃなイメージも もたれているが、繊細な面があり、

細い糸１本で現役時代はやってきた。

現役時代、自分は普通の選手より、批判が多かった。

批判を覆すために、それをパワーに変えて頑張っていたが、

年齢を重ねると、気持ちを支えていた線が１本になっていき、

それが切れる前に辞めたいという思いもあった。

移籍を繰り返したのも同じところにいて、王様になりたくない、

そこでよくても、知らない自分を探しに行きたいという思いがあった。

中学から親もとを離れ、

その頃からチャレンジをしていかなくてはいけないというのが染みついている。

現役引退をし、今後はいろいろ違ったチャレンジをしたい。

楽しみながらやっていきたいと思っている。

 

 

これからの目標・夢　　　　　

妻は学生時代のライバルチームの監督の娘で、

妻の弟は国見高校のサッカー部の後輩という不思議な縁。

オフの時の自分は寂しがりやで泣き虫、センチメンタルな部分があり、

そんな自分にとっては頼もしい存在。

今後は、サッカー以外の分野にも挑戦していたい。

サッカーしかしてきていないので、今まで見たことのない、違うところを見たい。

いろいろ勉強していきたい。

サッカーの指導者という点では、参考にしたい人は、

自分がＪリーグの時にチームを率いていた風間八宏さん。

自分がやりたいサッカーだった。

風間さんのようになりたいが、ほど遠い。

指導者になるにはライセンスが必要。

今後やるなら、取得しないといけない。