KYOCERA 近未来story 中川翔子のG<ギザ>サイエンス! JOLF AM1242/FRIDAY 24:30〜25:00 ON AIR! メールはこちら
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京セラ 株式会社
株式会社 日経サイエンス
研究内容
参加ゼミ
2008.06.20 放送
東京大学大学院 工学系研究科
システム創成学専攻
佐藤 光三 研究室
「炭素」は長い年月、地下に「炭化水素」という形で眠っていた。近代以降、人間は「炭化水素」を掘り起こし、エネルギー源として利用することで豊かな世界を作ったが、「炭素」は「二酸化炭素」という形で大量に空気中に捨てられ、地球温暖化を招いている。そこで本研究室では、(1)「二酸化炭素」を「炭素」が本来あるべき地下へ”安全に”戻す方法を確立し、(2) 地下に戻した「二酸化炭素」を微生物の力を借りて本来あるべき「炭化水素」という形に戻し、人間の営みを自然に調和させようとしている。イメージとしては、「エネルギーを地中で栽培する」研究である。
本日の研究レポート
二酸化炭素を地中深くに閉じ込めろ!

一般に化石燃料と呼ばれる天然ガスや石油・石炭などは、人類文明にとって
まさに「力の源」であったと言ってよいだろう。
産業革命に端を発するテクノロジーの発達は、地球規模で様々な恩恵を与えてくれた。
しかし、同時にそれは『温室効果ガス』という、負の遺産をも我々に負わせた。
加速度的に進む地球温暖化に対して、世界は1997年、
歴史的な「京都議定書」を批准した。
多くの問題をはらみながらも、地球のために動き始めた。
温室効果ガスのもっとも一般的な存在は二酸化炭素であろう。
政治の取り組みとは別に、科学者たちも様々な角度からこの問題に
アプローチを行っている。

今回出演してくれた東京大学大学院・工学系研究科・システム創生学学専攻、
佐藤光三研究室の諸君もまた、そんな「頼もしきサイエンティスト」の一人である。
山田 大樹(やまだ・たいき)さん
合田 隆(ごうだ・たかし)さん
西尾 祐亮(にしお・ゆうすけ)さん
彼らは、『持続型炭素循環システム』と呼ばれる、新しい『エネルギー循環』の方法を
模索しておる。つまり、大気中に生まれた二酸化炭素を地中深くに埋めて(戻して)、
温室効果の軽減を図るとともに、地中においては微生物の力でこの二酸化炭素を
本来の炭化水素という、石油は石炭・ガスなどのもとになる形にしてもらおうという、
まさに夢のようなプロジェクトを考えておるのだ。
地球環境は待ったなし。彼らの中の一人は「数十年のうちに実用化できる!」と
言ってくれた。頼もしいのぉ!頼みましたぞ。

ワシは最近思うのだ。この番組を半年以上続けてきて、特に環境系の分野における
重大なキーワードは「循環」である。循環とは、輪廻である。
今回のオープニングの中でも、魂の輪廻転生の概念を話したが、我々人類は
昔から、現在の解決策を知っておったのかもしれんの。
また同時に、二酸化炭素の存在を、堕天使ルシファーになぞらえるというのも面白い。
元は天使なりし存在が、地中深くに閉じ込められ、地上に復活したときは
悪魔の如き存在として人の世に害をなすとは、まさに化石燃料から二酸化炭素が
生まれる今の世界を現しているともとれるではないか。
だとすれば、二酸化炭素との戦いはハルマゲドンだと言えよう。
人類は、この戦いに決して負けることは許されない。
科学者たちはその頭脳をもって、大きな武器を作り上げようとしておる。
せめて、我々科学者ならぬ身は、エコに努めねばならない。
電気も水も、全部大切に。

これは、誰かの問題ではない。我々全部の、そして我々の子供たち、その子孫すべての
存在をかけた問題である。
がんばろう。みんな。