岩井さんは、高校在学中の1982年に、
第３回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入賞。少女小説化を経て、
1999年「ぼっけえ、きょうてえ」が日本ホラー小説大賞を受賞。
2000年、第13回山本周五郎賞受賞され、
2002年には、「岡山女」が直木賞候補になるなど、
作家として着実にキャリアを積んでいらっしゃっています。
同時に「エロくて変なオバちゃん」を自称し、レギュラー番組では、
ヒョウの全身タイツを着用する強烈なキャラクターが注目を集め、
”瀬戸内海の黒アワビ”としても知られています。

岡山で結婚され、離婚を機にお子さんを残して上京された
岩井さん。当時はどんなお気持ちだったのでしょうか？

「元旦那から突然、”離婚してくれ”と言われ
その頃に初めて、小説を書きたいと強く思ったんです。
そして「日本ホラー小説大賞」に応募しようと思い、
当時は、ワープロで印字したものを封筒に入れて
郵便局から送ったわけですよ。
離婚問題は膠着状態で、子供もいるし、埒が明かない。
そんな中、ある日、突然、角川書店から「最終候補に残っています。」
と言われ、これで賞が取れたら離婚する！
誰かに決めてもらおう、何かに委ねようと思い、
そしたら「あなたが大賞です」と連絡が来て
これは、もう離婚しようということなんだなぁと。

当時は精神状態が悪かったので
今でも胸が痛いんですけど、
子どもと一緒にいたら傷を与えてしまうと思って
元旦那の方が金持ちだし、安定しているし、
そっちにいた方が子どもたちが幸せだと思って
出てきたんですよね。」

岩井さんは、角川ホラー文庫「でえれえ、やっちもねえ」を
発表されました。
江戸、明治、大正、昭和、4つの時代の岡山を舞台に、
恐るべき怪異と人の業とが交錯する、
戦慄の物語になっています。