ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2026.03.22

サンデー早起キネマ『私たちの話し方』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”

3/22の2本目は、香港から届いた聴覚障がいがある3人の男女の成長を瑞々しく描く青春群像劇
『私たちの話し方』

香港では、2010年まで、ろう学校での手話教育が禁止されていました。社会に早く適応できるようにと、口話(音声言語)と読話(読唇術)が強制されていたのです。
そんな中、奨励される人工内耳…補聴器では効果が十分に得られない難聴者がつける医療器具で、受信コイルを皮膚の下に挿入するため、手術が必要です。
その人工内耳や手話教育の変遷など変わる社会の中で、それぞれの悩みを抱え、アイデンティティや社会とのかかわりを模索していく3人の主人公が描かれています。

生まれながらのろう者で、自身が手話で話すことを誇りに思っているジーソンは、スキューバダイビングのインストラクターを目指しています。
そして、手話と口話を使いこなし、人工内耳を装用しているアランは、
イギリス留学を経て広告クリエイターとして活躍中。
ふたりは小学校のクラスメイトで、大人になった今もずっと友達です。
そして、紅一点、3歳で聴力を失い、人工内耳を装用することで「聴こえる人」として“普通”の生活を送ろうとしているソフィーは、人工内耳を世に広めるアンバサダーとして活動し、大手保険会社に就職が決まります。

考え方も生き方も違う3人が出逢い、それぞれの立場で悩み、淡い恋心も見え隠れする中で、ぶつかり合いながら自分の居場所を見つけていくのです。
そんな彼らを観て、私も「自分はどうしたいのか心の声がちゃんと聴こえているのだろうか」と気づけば自分自身を振り返っていました。

ジーソン役のネオ・ヤウ、ソフィー役のジョン・シュッインはこれからが期待される若手スター。
アラン役には、自身も口話と手話を使いこなす演技未経験のマルコ・ンが抜擢されました。
3人の演技が素晴らしく、最後はとても爽やかな気分になれます。

香港では手話が禁止されていた時期があったことや人工内耳など、知らなかったことばかりでした。
この作品の特徴は“音の聴こえ方”で、登場人物の「聴こえない」「聴こえにくい」感覚を、私たちが疑似体験できるよう音響が設計されているのです。人工内耳を通したときの音の聴こえ方、外したときの音の歪みや欠落、環境音の断続など、登場人物の感情の揺れや孤独を音として体験できる仕掛けになっています。
さらには、無音の静けさや、手話の力強さ・美しさまで感じることができる作品、是非、映画館で体感して下さい。

『私たちの話し方』
3月27日(金)より、新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開

公式サイト:『私たちの話し方』公式サイト
監督:アダム・ウォン(黄修平)
出演:ネオ・ヤウ(游學修)、ジョン・シュッイン(鍾雪瑩)、マルコ・ン(吳祉昊)
2024 年/香港/広東語・香港手話/132分/カラー
原題:看我今天怎麼說 英題:The Way We Talk
字幕:最上麻衣子 バリアフリー版制作協力:Palabra株式会社 字幕協力:大阪アジアン映画祭
配給:ミモザフィルムズ
©2024 One Cool Film Production Limited, Lee Hysan Foundation. All Rights Reserved.

最新番組ブログ
    パーソナリティ
    • ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

    • 過去のホームページ
    • 中山秀征の有楽町で逢いまSHOW
    • 週刊 なるほど!ニッポン
    • ウィークエンド・ケアタイム 「ひだまりハウス」 ~うつ病・認知症について語ろう~