ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2025.10.26

サンデー早起キネマ『盤上の向日葵』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”

10/26の2本目は、坂口健太郎さんと渡辺謙さん初共演、魂を揺さぶるヒューマンミステリー
『盤上の向日葵』

原作は、「孤狼の血」の著者・柚月裕子氏の同名小説です。昭和から平成へと続く激動の時代を生きる一人の青年の光と闇をドラマチックに映し出していきます。
監督と脚本は、『ユリゴコロ』『隣人 X -疑惑の彼女-』の熊澤尚人監督。原作の重厚な人間ドラマに惚れ、7年の歳月をかけて完成までたどり着きました。

その物語とは…ある日、山の中で謎の白骨死体が発見されます。事件解明の手掛かりは、遺体とともに発見されたこの世に7組しか現存しない希少な将棋の駒。
容疑者は、突如将棋界に現れ、一躍時の人となっていた天才棋士の〈上条桂介〉。捜査が進むにつれ明らかになる桂介の生い立ち…それは、想像を絶する過酷なものでした。
桂介が、やっとの思いで幸せをつかみとろうとする度に姿を現し、その未来を蝕む父親。その一方、どん底の環境から桂介を救い出そうとする恩師。静かな愛を注ぎ見守る婚約者。そして、桂介に絶対的な影響を与える裏社会に生きる賭け将棋の真剣師〈東明重慶〉。…いくつもの出会いによって桂介の運命は流転します。
希望と失望、裏切りと復讐、愛と憎しみの連鎖の果てに、
桂介はあまりにも衝撃的な出生の秘密を知ってしまうのです。

この作品の一番の魅力は、俳優さんたちです。
謎に包まれた天才棋士・上条桂介役は坂口健太郎さん。今までのソフトなイメージとは全く違う新境地。ほとんど笑顔もなく、激情に身を委ねる演技で、主人公が抱える情熱と葛藤を体現しました。
将棋指しとしては超一流でも人間としては最低な伝説の賭け将棋の真剣師・東明重慶には渡辺謙さん。本当にとんでもない人間なのですが、どこか抗えない魅力があるんですよね。さすが謙さんです。

そして、事件の真相を追い、桂介の過去を解き明かす刑事に佐々木蔵之介さんと高杉真宙さん、桂介の過酷な少年時代に光を与える恩師は小日向文世さん、桂介の最悪な父親には音尾琢真さん、東北一の真剣師に柄本明さん、原作には登場しない桂介の婚約者に土屋太鳳さんと豪華キャストが、将棋の駒のようにそれぞれの役割を見事に演じています。

そして、凛と響く将棋の駒の音がとても印象的な対局シーンも見どころです。対局する二人の心情が微かな動きに表れ、将棋を知らなくてもドキドキするほどドラマチック!
それは、一瞬一瞬の選択の上に成り立っているからではないでしょうか。まさしく人生もそう。今の自分は過去の自分がしてきた選択の結果です。自分が納得してその選択ができた時、その人が生き切ったということなのかもしれません。

『盤上の向日葵』
10月31日(金)全国公開

公式サイト:映画『盤上の向日葵』公式サイト|10月31日劇場公開
監督・脚本:熊澤尚人
原作:柚月裕子「盤上の向日葵」(中央公論新社)
出演:坂口健太郎 渡辺謙 佐々木蔵之介 土屋太鳳 高杉真宙 音尾琢真 
柄本明/渡辺いっけい 尾上右近 木村多江 小日向文世 ほか
主題歌:サザンオールスターズ「暮れゆく街のふたり」(タイシタレーベル / ビクターエンタテインメント)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松竹
©2025映画「盤上の向日葵」製作委員会 

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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