ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2025.10.12

サンデー早起キネマ『おーい、応為』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”

10/12の1本目は、長澤まさみさん主演、葛飾北斎の娘にして弟子・応為の謎に満ちた数奇な人生
『おーい、応為』

北斎の娘で師弟でもあったお栄は、北斎の右腕として活躍し、やがて、いつも北斎から「おーい、おーい」と呼ばれることから「葛飾応為(おうい)」という号を授かります。
ある絵師のもとに嫁いでいたお栄が、カッコばかりで心のない夫の絵を見下したことで離縁され、父のもとへと出戻ってきたところから物語が始まります。

父娘にして師弟。描きかけの絵が散乱したボロボロの長屋で始まった二人暮らしですが、やがて父親譲りの才能を発揮していくお栄は、北斎から「葛飾応為」という名を授かり、当時珍しかった女性の浮世絵師として時代を駆け抜けていくのです。
その性格は豪胆で自由。一人称は「俺」、お茶のひとつもまともに淹れられず、針仕事も不得意だった彼女が、父であり師である北斎の背中から学んだこと。それは描くこと、それこそが生きること…。
自分の心に正直に、そして自由に生きようとした彼女が、最後にたどり着いた幸せとは?
    
「美人画では敵わない」と北斎も認めるほどの才を持ち、自らの意志で北斎と共に生きる選択をした応為をたくましくも軽やかに演じるのは、日本映画界を牽引し続ける俳優・長澤まさみさん。長澤さんにとって初めての時代劇の主演作です。

そして、応為の父・葛飾北斎役は永瀬正敏さん。凄まじい絵師としての姿と、“父親”としてのどこか愛らしい姿が混在する、新たな北斎像を見事に表現しました。
北斎の弟子であり、応為の気心知れた友人で実在の絵師、善次郎(渓斎英泉)にKing&Prince の髙橋海人さん。つかみどころのない雰囲気がとってもいいんです。
他に、大谷亮平さん、篠井英介さん、奥野瑛太さん、寺島しのぶさんと、そうそうたる顔ぶれが揃いました。

脚本・監督は『日日是好日』『星の子』の大森立嗣監督。
『MOTHER マザー』以来の長澤さんとのタッグに、「長澤まさみと言う女優はいつだってすごくいい。でもこの映画の長澤まさみは最高かもしれない。」と賛辞を送っていますが、本当にその通りだと思います。
どんな役でも、魅力的に演じてしまう方だと改めて実感、特に応為はすこぶるチャーミングです。永瀬正敏さん演じる北斎と、散らかり放題の汚部屋で、口汚く怒鳴り合っているのに、なぜあんなに温かく愛情があふれているのでしょう。ぶっきらぼうな親子愛に涙が溢れます。

特徴的だと思ったのが、江戸時代の時間の流れなのか、ワンシーンがとてもゆったりしているのです。問いかけから答えるまでの間がすごくよくて、その間があるからこそ、私たちもスクリーンの中で一緒に生きているような感覚が味わえます。役者さんたちは大変なのでしょうけれど…。
焦ることはない、好きなことをしていい、モノや成果にこだわるな、自分の中にすべてある…数奇な彼女の人生からそんなことを学びました。

『おーい、応為』
10月17日(金)全国ロードショー

公式サイト:映画『おーい、応為』公式サイト | 10月17日(金)公開
監督・脚本:大森立嗣
キャスト:長澤まさみ 髙橋海人 大谷亮平 篠井英介 奥野瑛太 寺島しのぶ 永瀬正敏
原作:飯島虚心 『葛飾北斎伝』(岩波文庫刊)
杉浦日向子 『百日紅』(筑摩書房刊)より「木瓜」「野分」
配給: 東京テアトル、ヨアケ
Ⓒ2025「おーい、応為」製作委員会

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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