ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2025.09.14

サンデー早起キネマ『ムガリッツ』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”

9/14の3本目は、半年間をメニュー開発に充てるため休業する、スペインのレストランに密着したドキュメンタリー
『ムガリッツ』

美食の街として知られるスペイン北部・バスク地方の港町サンセバスチャンに、「レストランを超えた存在」と評されミシュラン常連の名門レストランがあります。その名は<ムガリッツ>。
グラスなどを並べずアーティスティックなオブジェだけを載せたテーブル、カトラリーを使わず手や舌を直接使って味わう料理など、従来のレストランとは違う独自の世界観で今までになかった食空間を生み出してきました。

そんなムガリッツは、毎年11~4月の半年間はレストランを休業し、オーナーシェフのアンドニ・ルイス・アドゥリスのもと、スタッフ総出でメニューの開発に専念します。その年に誕生した料理はその年限り、二度と出てきません。革新的なメニューは常に更新され続けるのです。
この作品は、ムガリッツの研究開発チームに密着し、メニュー開発の舞台裏を追ったドキュメンタリーです。
メガホンを取ったのは、『REC』シリーズなどのジャンルホラーで知られるパコ・プラサ監督。ムガリッツの大ファンでもある彼が厨房に潜入、その全貌が明らかになりました。

恥ずかしながら、私はムガリッツというレストランの存在を知りませんでした。
撮影された年のテーマは「目に見えないもの」。「ムガリッツでは、単なる食事ではなく、知識が提供される」というオーナーシェフを囲んで、新しいメニューを生み出す会話は哲学の授業のようで、聴いているだけでワクワクします。
あんなに沢山のトークセッションをすることでしか、あの料理たちは生まれてこないのだと驚きます。
そうして生まれた料理の中の一品は、石板の上に置かれた骨と石。石で骨を砕いて中に仕込まれた料理を食べるというもの…遊びの精神を大切にするムガリッツならではの料理です。そんな料理が、半年で40近く揃うのです。

半年間苦しみ、それでもどこか楽しむようにメニューを開発するスタッフたちは、
確実に料理人としても人としても成長していると感じられます。
そんな姿を、忍者のごとく気配を消してスタッフの邪魔にならないように記録したクルーも、素晴らしいと思いました。
五感で楽しむ奇想天外な料理…一度は味わってみたいものです。

『ムガリッツ』
9月19日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー

公式サイト:映画『ムガリッツ』公式サイト
監督:パコ・プラサ
脚本:パコ・プラサ、マパ・パストール
提供:ティー ワイ リミテッド
配給:ギャガ
原題:『MUGARITZ. NO BREAD NO DESSERT』/2024年/スペイン/カラー/96分/字幕翻訳:比嘉世津子/映倫:G
後援︓駐⽇スペイン⼤使館 インスティトゥト・セルバンテス東京
©2024 TELEFONICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U. 

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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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