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2025.08.17

サンデー早起キネマ『大統領暗殺裁判 16日間の真実』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”

8/17の2本目は、韓国史上最悪の政治裁判を描いた衝撃のサスペンス
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』

史実に基づいたフィクション映画の傑作を生みだしてきた韓国で、これまで描かれなかった史上最悪の政治裁判の裏側が明かされました。
それは、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺の裁判です。
軍事クーデターで政権を掌握し、独裁者と批判されるほど強大な権勢を振るった朴正煕大統領は、1979年10月26日、国のナンバー2とも噂された側近のKCIA=中央情報部部長・金載圭(キム・ジェギュ)によって暗殺されました。
そして行われた大統領暗殺裁判…。

今日ご紹介するのは、大統領暗殺とその裁判、そして粛軍クーデターという一連の歴史的大事件に巻き込まれた3人の男を、一部フィクションを交えて史実に基づき描いた作品です。
大統領暗殺裁判を、弁護する者、裁かれる者、裏で操る者、それぞれの目線でドラマチックに仕上げています。

弁護する者=チョン・インフは、映画オリジナルのキャラクターで、勝つためには手段を選ばない弁護士会のエースです。
演じたのは、ドラマ「賢い医師生活」などで人気の俳優チョ・ジョンソク。
「この人は助けなくちゃだめだ」と公正な裁判を熱く求め人間味あふれる役柄がピッタリで、魅力的です。

裁かれる者=パク・テジュは、朴正煕大統領を暗殺したキム・ジェギュの部下で、命令で事件に巻き込まれた軍人、朴興柱(パク・フンジュ)をモデルにしています。被告人の中で唯一の軍人であるがために、ただ一人軍法裁判にかけられ、たった一度の判決で刑が確定します。
演じたのは、これが最後の新作となったイ・ソンギュン。弁護士も舌を巻くほど愚直な軍人役が見事で、彼の演技がもう見られないなんて本当に残念です。

そして、裁判を裏で操る者=合同捜査団長チョン・サンドゥのモデルは、粛軍クーデターの首謀者の一人であり、後に大統領となる全斗煥(チョン・ドゥファン)。密室で公判を盗聴し、裁判長に秘密のメモをリアルタイムで送り、裁判を不当に操ります。
演じたのは、唯一無二の名優ユ・ジェミョン。髪を切るばかりか抜くまでして役になりきり、私も最初は誰だかわかりませんでした。

監督は、映画『王になった男』のチュ・チャンミン。「本作は人についての話、人が持つべき姿勢についての話だ」と述べていますが、一時代とその時代を生きた人を通してただ歴史を語るだけでなく、時代を問わず、国を問わず、“人としてどうあるべきか”という重厚なメッセージを投げかけてきます。
原題は『행복의 나라(ヘンボゲナラ=幸せの国)』、とても切なくなりました。

朴正煕大統領暗殺を描いた『KCIA 南山の部長たち』、12.12粛軍クーデターを扱った『ソウルの春』、その後の光州事件がわかる『タクシー運転手』…一連の韓国の近代史映画を続けて見たくなりました。

『大統領暗殺裁判 16日間の真実』
 8月 22日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国公開

公式サイト:8/22(金)公開|映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』公式サイト
キャスト:チョ・ジョンソク(「賢い医師生活」)、イ・ソンギュン(『パラサイト 半地下の家族』)、ユ・ジェミョン(『劇映画 孤独のグルメ』、「梨泰院クラス」)
監督・脚本:チュ・チャンミン(『王になった男』)
2024/韓国/124分/カラー/スコープ/5.1ch/原題:행복의 나라/字幕翻訳:福留友子/配給:ショウゲート 
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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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