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5/4の1本目は、実在の人物を基に描く、コンプレックスを抱えながらも逞しく生きる女性の物語
『ロザリー』

この作品が生まれる基になったのは、20世紀初頭「髭の生えた女性」として有名だった実在の人物クレマンティーヌ・デレ。
二十歳でパン屋さんと結婚しカフェを開きますが、あるきっかけで隠していた髭を伸ばし始めるとカフェには大勢の人が集まり、やがて自身の写真やポストカードを販売、ヨーロッパツアーにも出ました。
そんな彼女の人生をヒントに生まれた物語は…。

生まれた時からの多毛症に悩まされていたロザリーは、周囲から疎まれることを恐れ、毎日欠かさずヒゲを剃り体毛を隠して生きてきました。
父親の勧めで、持参金目当てのアベルと結婚しますが、体毛を見られ拒絶されてしまいます。
それでも田舎町にあるアベルのカフェを手伝うことになり、客の一言からあるアイディアを思いつきます。
「髭を伸ばして店に出れば、客が集まるかもしれない」
髭を伸ばすと決意したロザリーは、羞恥心から解き放たれ、ありのままの自分を取り戻します。
始めは彼女の行動に反対し嫌悪感を示していたアベルも、次第に純粋で献身的な彼女に惹かれていきます。
ロザリーの姿を一目見ようと店は繁盛しますが、小さな田舎町では評判も悪い噂もすぐに広まります。
ありのままの自分を愛して欲しいと願うロザリーは、自分らしさを信じ抗い続けようとするのですが……。

ロザリー役には、フランソワ・オゾン監督作『私がやりました』で脚光を浴びたナディア・テレスキウィッツ。
毎朝、4時間かけて顔や体に一本ずつ毛をつけ、メイクと衣装に2時間もかけてロザリーに変身。役に没入するためのいい時間になったそうです。
彼女の内面からの輝きが溢れ出て、髭が不自然ではなく、えも言われぬ美しさがあります。

そして、ロザリーの夫・アベルには、フランス映画界を代表する名優・ブノワ・マジメル。
普仏戦争、プロシアとフランスの戦争の傷から愛を忘れ何事も信じられなくなったアベルが、ロザリーのお陰で本当に少しずつ変化していく様子が愛らしくさえありました。

今よりさらに男女の性差が大きかった時代に、男性の象徴ともいえる髭を伸ばすことがどれほど勇気がいることだったか…夫のために妻として自分にできることを堂々とやり続けるロザリーの潔さに胸を打たれます。
最初は面白半分でそんなロザリーをもてはやしていた人々が、数人の悪意に飲み込まれてしまう様子が恐ろしかったです。人を叩く場所が現実の世界からネットの世界に変わったとはいえ、人間は、今も昔も変わらないんですね。
それでも、ロザリーの姿は何かしらのコンプレックスに悩む私たちに、そのままでいいのだと優しく背中を押してくれるのです。

『ロザリー』
5 月 2 日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開
公式サイト:ロザリー – 株式会社クロックワークス – THE KLOCKWORX
監督・脚本:ステファニー・ディ・ジュースト
出演:ナディア・テレスキウィッツ、ブノワ・マジメル、バンジャマン・ビオレ、ギヨーム・グイ、ギュスタヴ・ケルヴェン、アンナ・ビオレ
2023 年|フランス・ベルギー|フランス語|115 分|シネマスコープ|5.1ch|原題:Rosalie|字幕翻訳:大城哲郎|PG12|配給:クロックワークス
© 2024 – TRÉSOR FILMS – GAUMONT – LAURENT DASSAULT ROND-POINT – ARTÉMIS PRODUCTIONS

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