ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2025.03.16

サンデー早起キネマ『教皇選挙』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
3/16は、作品の世界観にドップリ浸れる名作を3本ご紹介。

3本目は、これは選挙か戦争か…カトリック教会の総本山・バチカンのトップに君臨するローマ教皇を決める教皇選挙“コンクラーベ”の内幕を描く極上のミステリー
『教皇選挙』

原作は、ロバート・ハリスの小説「Conclave」。
メガホンを取ったのは、Netflixの「西部戦線異状なし」で世界的に絶賛されたエドワード・ベルガー監督。
今年のアカデミー賞では脚色賞を受賞しましたが、私の中では「脚色賞はもちろん、作品賞も是非!」と思ったほど、映像も音楽も素晴らしく、ドキドキハラハラ、あっと驚くストーリーには度肝を抜かれました。

ローマ教皇が心臓発作で急逝し、新たな教皇を選出するためのコンクラーベが行われることになりました。選挙を執り仕切る首席枢機卿のローレンスは、悲しみに暮れる間もなく準備に追われています。
3週間後、世界各国から100人余りの枢機卿がバチカンに集結、システィーナ礼拝堂の扉の向こうで極秘の投票が始まります。
有力候補の4人がしのぎを削る選挙戦は混戦模様となり、1日目と2日目に4回の投票を重ねても、投票総数の2/3以上を得る者はいませんでした。しかも、リベラル派と保守派の思惑が交錯する中、思わぬスキャンダルや陰謀の発覚によって有力候補が次々と脱落する異例の事態に、ローレンスは苦悩を深めていくのです。
やがて3日目の投票中、厳戒態勢下のバチカンを揺るがす大事件が勃発!
果たして選挙の行方は?そして、選挙の後、明らかになる衝撃の秘密とは?

ローレンス役は、レイフ・ファインズ。正しい選挙を全うしたいのに次々と起こる騒動に悩み、やがて新たな決意をするなど心の変化が端々に現れる演技が素晴らしかったです。
また、リベラル派の急先鋒、ローレンスの親友にはスタンリー・トゥッチ、保守派の枢機卿にジョン・リスゴー、枢機卿たちの宿泊施設の運営責任者シスター・アグネスにイザベラ・ロッセリーニなど、豪華な面々。

選挙が進むにつれ人間の野心が暴かれていく過程にどんどんのめり込み、投票結果に安堵したと思ったら、最後の最後にどかーんと来たまさかの結末!!
えーーー?!そんな…話したいのに、絶対言えないもどかしさ。誰かと共有したい気持ちが募ります。
カーチェイスもアクションもないのに、あんなにドキドキできるなんて!
今の世の中をコンクラーベに重ねた素晴らしい展開、エンドロールが終わった後、思わず「ブラボー!」拍手をしてしまいました。

理想主義と権力と腐敗…聖職者の世界も、私たちが住む世界と同じなんですね。
敵の陣営を陥れるための画策、票読みやロビー活動は、政治家そのもの。「選挙は戦争だ」と言い切ります!
そんな政治的な駆け引きとは別の次元で起きる“思いもよらないラスト”に驚くと同時に爽快な気持ちになること間違いありません。

『教皇選挙』
3月20日(木・祝)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

公式サイト:https://cclv-movie.jp
監督:エドワード・ベルガー(『西部戦線異状なし』)
脚本:ピーター・ストローハン(『裏切りのサーカス』)
原作:ロバート・ハリス著「CONCLAVE」
出演:レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニ
2024年|アメリカ・イギリス|英語・ラテン語・イタリア語|カラー|スコープサイズ|120分|原題:CONCLAVE|字幕翻訳:渡邉貴子|G
配給:キノフィルムズ
© 2024 Conclave Distribution, LLC.

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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