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3/9は、幸せは十人十色だと実感する2本と映画祭をご紹介。
2本目は、韓国から届いた自分にとっての幸せを探す旅
『ケナは韓国が嫌いで』
原作は、元新聞記者のチャン・ガンミョンが2015年に出版したベストセラー小説「韓国が嫌いで」。
ソウル郊外の小さな団地で家族と暮らす28歳の会社員ケナは、生まれ育った韓国に嫌気がさしています。片道2時間もかかる通勤に単調な仕事、上層部の顔色ばかり伺う上司に辟易する毎日。
裕福な家庭で育った大学時代からの恋人ジミョンは、外国に行きたいと口にするケナに「就職したら自分が養う」と、ピントハズレな話をしがち。
ケナの母は、そんなジミョンとの結婚を急かし、さらに団地の建て替え費用の援助をケナに迫ります。
地獄のような通勤、興味のない仕事、恋人との不透明な未来、古い価値観を押しつけてくる家族との息の詰まる日々…。
「自分には落ち度がないのに、韓国では幸せになれない」
ケナは一念発起し、“未来ではない今この瞬間の幸せ”を求め、単身ニュージーランドへと渡ります。
韓国を飛び出したケナは、異国の地で幸せを見つけることができるのでしょうか?
主人公ケナ役は、ポン・ジュノ監督『グエムル-漢江の怪物-』で、天才子役として鮮烈な印象を残したコ・アソン。
今回は人生に葛藤する30歳前後の女性を等身大で体現、私たちの共感を誘います。
また、ケナと同じ時期にニュージーランドへ留学し、かけがえのない友人となるジェイン役には、日本でも大人気のドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」で一気に知名度を上げたチュ・ジョンヒョク。
監督・脚本は、“第2のホン・サンス”や“韓国の是枝裕和”と称され、世界から注目を集めるチャン・ゴンジェ。
「韓国で女性として生きることは、非常に心を削られることだと思います」と話していますが、熾烈な受験戦争や若者の失業率の高さ、OECD(経済協力開発機構)加盟国で最も高い自殺率など、生きづらいと感じる若者がとても多い韓国。男女の役割が尊重されるので、女性はもっと大変です。
作品の中にディズニーの絵本「さむがりやのペンギン パブロ」が象徴的に登場するのですが、さむがりやのパブロが温かい南の島へ行くことを諦めないように、ケナも自分の幸せを諦めません。
ケナの求める幸せは、みんなが言う幸せとは違うものですし、違って当たり前なんですよね。国や性別、年齢などは関係なく、幸せだと感じることはひとりひとり違うのです。それをどこまで追求したいのか?どこまで追求できるのか?
ケナのおかげで「自分にとって何が幸せなのか」…自分のためにちゃんと向き合おうと思えました。
仕事、家族、恋人、故郷を手放し、新たな一歩を踏み出すケナ28歳!その人生に幸あれと祈らずにはいられません。
『ケナは韓国が嫌いで』
2025 年 3 ⽉ 7 ⽇(⾦)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
公式サイト:映画『ケナは韓国が嫌いで』公式サイト
監督・脚本:チャン・ゴンジェ『ひと夏のファンタジア』
出演:コ・アソン『グエムル-漢江の怪物-』 チュ・ジョンヒョク「ウ・ヨンウ弁護⼠は天才肌」
キム・ウギョム イ・サンヒ オ・ミンエ パク・スンヒョン
2024 年/韓国/韓国語・英語/107 分/カラー/原題:한국이 싫어서/⽇本語字幕:本⽥恵⼦
配給:アニモプロデュース
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