ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2025.01.05

サンデー早起キネマ『ねこしま』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/5は、気分が良くなる新年にふさわしい3本。

2本目は、野良猫たちと人間が共存する奇跡の島のドキュメンタリー『ねこしま』

ねこしまとは、イタリア半島の先、シチリア島の93キロ南にあり、地中海に囲まれた島国・マルタ共和国。
古くから要衝として、ローマ帝国、フランス、イギリスなどの支配下にあり1964年に独立しました。首都ヴァレッタや巨石神殿群など世界遺産をはじめとする歴史、文化遺跡、青い空の下に広がる真っ青な海と抜群に景色が美しい国です。
そんな美しい街をゆっくり練り歩くように移動し、時におっとりと海を眺め、時に愛らしく寝っ転がっているのが数えきれないほど沢山の猫たち。風景には必ず猫が映り込み、もう景観の一部になっています。

猫の周りには彼らに心を奪われた住民たちの姿がありました。
猫たちが暮らす村の存続をかけて開発業者と戦うローザ、巨大な猫の像の制作をライフワークにするマシュー、猫に魅了されマルタに移住した女優ポリー、猫の保護活動に奮闘する少年・アイザック…。
毎日餌をやるのはもちろん、自分たちでお金を出し合って去勢したり、里親を探したり、本当に心から猫を大切にしているのです。
そんな人たちが声を揃えて言うのは、「猫は癒しを与えてくれる」。
個性あふれる愛すべき猫たちと、彼らと共に人生を慈しむ人々の姿から、現在のマルタの猫文化が明らかになります。

監督は、2017年、自身のルーツがあるマルタ共和国に移住したオーストラリア出身のサラ・ジェイン・ポルテッリ。
移住した当時、いたるところで猫を見かけ、なぜ小さな島のあちこちにこんなに多くの猫と猫を愛する共同体が広がっているのか不思議に思ったそうです。
マルタの「猫文化」の謎を解き明かすべく、メガホンをとった監督は、この作品について「猫と共に生きる人間同士のつながりやコミュニティの力についての映画」であり、「猫が人間を必要とし、人間がどれだけ猫を必要としているか」を伝えたいと語っています。

スクリーンに映し出されるたくさんの猫たちは、野良猫であることへの誇りさえ感じるほど凛としています。覚悟を持って生きているのだといわんばかりの表情。
でも、一方で人間を恐れないのは、島の人たちに愛されているという自信があるからなのかもしれません。
もちろん、島中を闊歩する猫たちを快く思っていない人たちがいるのも事実です。それでも、島民の癒しとなり、観光活性化のために一役かっているのも事実。
でも、難しいことは考えず、ごろんと横になりゴロゴロのどを鳴らしたくなるような作品です。

『ねこしま』
2025年1月10日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋、新宿武蔵野館他全国ロードショー

公式サイト:https://catsofmalta-movie.com/
2023/マルタ共和国/英語/カラー/71分
配給:ファインフィルムズ
原題:Cats of Malta 
後援:マルタ観光局
監督:サラ・ジェイン・ポルテッリ 
撮影:イヴァン・マレキン  
出演:ミシェル・デグアラ、サルヴュ・ジルソン、ポリー・マーチ
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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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