おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/5は、気分が良くなる新年にふさわしい3本。
1本目は、ナチスが略奪したエゴン・シーレの名画「ひまわり」発見の実話から創作されたアートビジネス界を巡るヒューマンドラマ
『オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ』
第二次世界大戦が終わるまでに、ナチス・ドイツはおよそ60万点の絵画や彫刻などの美術品を略奪、今も10万点ほどが行方知れずといわれています。
略奪した作品のうち、マチスやピカソなどの近代美術や前衛芸術などは、退廃芸術とみなして弾圧、作品を焼いたり、ナチスの協力者に払い下げたりしました。
そして2000年代初頭、フランス東部の工業都市ミュルーズ郊外の若い工員の家でひまわりの絵が見つかり、それがナチスに略奪されたウィーン分離派の流れをくむエゴン・シーレの作品であることが判明しました。
この歴史的事実に基づき、作られたのがこの作品です。
パリのオークション・ハウスで有能な競売人(オークショニア)として働くアンドレ・マッソンはある日、シュザンヌ・エゲルマンという弁護士から「エゴン・シーレの作だと思われる画の鑑定をして欲しい」という手紙を受け取ります。
贋作に違いないとにらんだアンドレは、取り合いませんでしたが、念のため、元妻で仕事の相棒であるベルティナと共に、絵が見つかったという工業都市ミュルーズにでかけます。
問題の絵は、化学工場の夜勤労働者マルタンが、母親とふたりで暮らす家の壁に掛けてありました。
絵を見た瞬間、アンドレとベルティナは興奮のあまり笑いだしてしまいます。その絵はまぎれもなく、エゴン・シーレのものだったのです。
なぜ、ひまわりがこの家にあったのか?もともとの持ち主は誰だったのか?そして、オークションを巡る陰謀!
1枚の絵を巡り次々と明らかになる登場人物たちの隠された秘密。彼らが本当に手に入れたいものとは?
美術オークション業界の内部構造や、富裕層と労働者階級の世界を見事に対峙させ、特権階級の残酷さを鮮やかに描きだしたのはパスカル・ボニゼール監督。
エゴン・シーレの名画が民家から見つかったという実話から広がるドキドキの展開!
騙し騙され少しでも高く絵を売るアートビジネスは、まさしく生き馬の目を抜くような恐ろしさがあります。
そんな中、一貫して変わらない純粋さを持つ人もいて、とても清々しい気持ちになりました。
そして、アンドレも元妻も弁護士も、登場人物たちが自分の居場所を見つけていく物語であることにもとても好感がもてました。
観終わったあと、いい映画だったなぁと嬉しくなれる作品です。
『オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ』
2025年1月10日(金)、
Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国ロードショー
公式サイト:映画『オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ』公式サイト
配給:オープンセサミ、フルモテルモ
©2023-SBS PRODUCTIONS
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