ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

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2024.12.29

サンデー早起キネマ『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
12/29は、より良い新年を迎えるパワーがもらえる作品を3本ご紹介。

3本目は、中年女性が新しい人生を踏み出す葛藤を描くちょっぴりユーモラスな青春物語
『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』

原作は、ジョージアの新進女性作家、タムタ・メラシュヴィリの大ヒット小説。
監督は、1985年生まれの女性、自らの作品を「抵抗の言葉」だというエレネ・ナヴェリアニ。
このコーナーでも何本かジョージアの作品を取り上げてきましたが、ユニークな作品がとても多いです。

主人公は、片田舎の小さな村で暮らす独身女性、48歳のエテロ。今まで結婚したいと思ったことは一度もありません。
母を幼い頃に、そして大人になって父と兄を看取り、シャンプーなど日用雑貨店を営みながら1人で生きてきた彼女は、自分で摘んで作るブラックベリーのジャムと同じくらい、今の独身の暮らしを愛しています。
しかし、村の女性たちは、独り身を貫いている彼女のことを勝手に憐れみ、可哀想と噂の種にしています。
そんなある日、いつものようにブラックベリーを摘みに行ったエテロは、あまりにも美しいブラックバード、黒いつぐみに見惚れて崖から足を踏み外し危機一髪!
死を意識した彼女は、なんと突発的に、配達に来た男性と人生で初めて肉体関係を持ってしまうのです。
突然動き出した彼女の人生。自分の正直な気持ちと向き合うエテロが歩む道とは?

独身のエテロを見下しながらも幸せそうには見えない村の既婚女性たち、都会の女性同士のカップル、ロックにハマる10代の女の子、いろんな価値観をもった女性たちが登場。
その中で、太っていても、年齢を重ねていても、独身でも、自分らしさを貫こうとするエテロの生き方はとても素敵です。周りがどう思おうと自分が幸せならいいんですよね。
女性は若くて綺麗な方がいい、一歩下がって声を上げるなという男尊女卑の考え方が残るジョージアで、多様性を肯定するかのような監督のメッセージが感じられます。

動けば人生変わる!エテロと一緒に闘い、涙し、ほっこりしてクスッとできる作品。
エテロには、もう絶対幸せになってほしいと思います。最後には「え?うそ?」というオチもついて…思わず笑顔になっちゃいました。
カラフルなケーキや素朴なインテリア、映像もポップで可愛いんですよ。
クスッとさせるような盛り上げ方をする音楽もとても好きです。

『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』
2025年1月3日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町他にて公開

公式サイト:http://www.pan-dora.co.jp/blackbird/
監督:エレネ・ナヴェリアニ
原作:タムタ・メラシュヴィリ 「Blackbird Blackbird Blackberry」
出演:エカ・チャヴレイシュヴィリ/テミコ・チチナゼ
原題:Shashvi shashvi maq’vali 英題:Blackbird Blackbird Blackberry
2023 年/ジョージア=スイス/カラー/ジョージア語/110 分
配給:パンドラ
Ⓒ – 2023 – ALVA FILM PRODUCTION SARL – TAKES FILM LLC

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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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