ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2024.12.15

サンデー早起キネマ『大きな家』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
12/15は、感動の成長物語を3本ご紹介。

2本目は、ある児童養護施設の“ふつう”の日常に密着したドキュメンタリー映画
『大きな家』

こども家庭庁の今年の資料によりますと、社会的養護が必要とされる日本の子どもたちは約4万2000人。その約半数は児童養護施設で暮らしています。
施設で暮らす子どもたちは、基本的には、18歳になって自立の準備ができたら退所し、自分の力で暮らしていかなければなりません。
この作品は、そんな児童養護施設で育つ子どもたちの姿を追った成長の記録です。

舞台は、東京のとある児童養護施設。ここでは、死別・病気・虐待・経済的問題など、さまざまな事情で親と離れて暮らす子どもたちと職員が日々を過ごしています。
家族とも他人とも言い切れないつながりの中で、子どもたちは、何を想い、何に悩み、どうやって大人になっていくのでしょうか。
生きることへの不安。うまく築けない人間関係。変えられないものと共に生きていくということ。
ここに映っているのは決して特別な事件などではなく、惑いながらも確かに成長していく子どもたちの姿と、それをやさしく包みこむ職員さんたちの温かな眼差し。些細だけれど大切な日常の景色です。
観終わった時は、彼らだけでなく自分自身が歩んできた道のりをも肯定したくなる、そして”ふつう”が少しだけ広がり、明日をまた生きていく勇気がもらえます。

この作品を企画しプロデュースしたのは、俳優としても第一線で活躍する齊藤工さん。
メガホンを取ったのは、『14歳の栞』『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』で注目された竹林亮監督。

印象的だったのは、多くの悩みを抱えていても、「仕方がない」と受け入れる子どもたちの懐の深さ。
愛情あふれる施設の職員の皆さんとの関係にも思わず涙しました。
竹林監督の「出演してくれた皆のこれからの人生のお守りになるようにと願いながら、この映画を作りました」という言葉に感動し、監督をはじめこの作品に携わった皆さんの優しさが心に沁みました。

施設で暮らしていてもどこで暮らしても、みんな同じように悩んで同じように育っていくんですよね。
誰もが通る人生の多感な時期、共感できる部分が必ずあります。
子どもたちの成長する姿が私たちをも成長させてくれます。
児童養護施設を巣立った子たちに幸あれと願わずにはいられません。

『大きな家』
2024 年 12 月 6 日(金)

公式サイト:映画『大きな家』公式
監督・編集:竹林亮
企画・プロデュース:齊藤工
配給:PARCO
企画・製作:CHOCOLATE Inc.
2024/日本/123 分/カラー/デジタル
©︎CHOCOLATE

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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