おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
11/17は、その道の巨匠が紡ぐ渾身の3本をご紹介。
2本目は、早熟の異才モレッティ監督50年のキャリアの集大成!
時代の変化に適応できない初老の映画監督の苦悩を描くコメディ
『チネチッタで会いましょう』
21歳でデビューし、40歳を迎える頃にはカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの3大映画祭を制覇!
“モレッティアーノ”と言われる熱狂的なファンを持つナンニ・モレッティ監督も今年71歳。
東京国際映画祭でもこの作品をはじめ3作品が上映されました。 ファンの方も多いのでは?
主人公は、5年に1度新作を撮り続けてきた40年のベテラン映画監督ジョヴァンニ。数々の名作が生まれたローマのチネチッタ撮影所で新作の撮影を控えています。
プロデューサーでもある妻がいつも傍にいてくれ、頭の中は新作のアイディアでいっぱい!順風満帆な人生…しかし、何かがおかしい。ジョヴァンニは、自分が世間からも家族からもちょっとズレてしまっていることに容赦なく気付かされる出来事に直面していきます。
妻には突然別れを切り出され、女優には演出に意見され、フランス人プロデューサーは詐欺師とわかり映画製作は中断。仕舞いには妻がプロデュースする若い監督の映画のラストシーンに難癖をつけ撮影を一晩ストップさせてしまう始末。
映画を愛し家族を愛し、懸命に生きてきたはずのジョヴァンニ。窮地に陥った彼が失意の中で見つけた大切なものとは?
モレッティは『ナンニ・モレッティのエイプリル』『母よ、』など“映画の中の映画”が十八番。監督は多くの場合が彼の分身で、時代ごとにモレッティが感じる社会への違和感を表現してきました。
『チネチッタで会いましょう』の中でジョヴァンニが撮影しているのは、1950年代の政治をテーマにした作品…だと思っているのは本人だけ。
女優はラブストーリーだと思って演じていますが、どう見てもそれが正しそうです。
ズレちゃってるんです。でも、自分を貫き通す、いや通すしかできない…だから一番近くにいたはずの妻も離れていく。そんなおじさんの物語でもあります。
でも、大丈夫!この作品はそんな危機に直面した人たちに希望を与えてくれます。
フェデリコ・フェリーニやマーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラなど、過去の映画作品へのオマージュにも溢れる作品。
最後にモレッティ監督の言葉をご紹介しましょう。
「映画はさまざまな危機を経験し、それを乗り越えていく。映画には、私たちに明るさと幸せになりたいという気持ちを再発見させる魔法の力がある。どんなことがあっても。」
『チネチッタで会いましょう』
11月22日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
公式サイト:『チネチッタで会いましょう』公式
監督:ナンニ・モレッティ
脚本:フランチェスカ・マルチャーノ、ナンニ・モレッティ、フェデリカ・ポントレモーリ、ヴァリア・サンテッラ
音楽:フランコ・ピエルサンティ
撮影:ミケーレ・ダッタナージオ
出演:ナンニ・モレッティ、マルゲリータ・ブイ、シルヴィオ・オルランド、バルボラ・ボブローヴァ、マチュー・アマルリック
2023年/イタリア・フランス/原題:Il sol dell’avvenire/96分/ヴィスタサイズ/日本語字幕:関口英子
配給:チャイルド・フィルム
© 2023 Sacher Film–Fandango–Le Pacte–France 3Cinéma
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