おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
11/17は、その道の巨匠が紡ぐ渾身の3本をご紹介。
1本目は、構想60年、脚本家・倉本聰氏が36年ぶりに執筆した映画脚本
『海の沈黙』
「前略おふくろ様」「北の国から」「やすらぎの郷」など数々の名作を手がけてきた巨匠・倉本聰氏が長年にわたって構想し、「どうしても書いておきたかった」と語る渾身のドラマの映画化です。
「これは私の絵じゃない」…世界的な画家・田村修三の展覧会で起きた贋作事件。
贋作を保有していた美術館の館長は、無実を訴え、自ら命を絶ちます。
「私はあの絵に心底惚れ込んでおりました。それはあの絵が贋作であると指摘された今も変わるものではありません」
作者が違うと判明した時、その評価が変わるのだとしたら、“美”とは一体、何なのか?
そして、この絵を描いたのは一体、誰なのか?
同じ頃、北海道・小樽で全身に刺青の入った女の死体が発見されます。
このふたつの事件の間に浮かび上がったのは、かつて“新進気鋭の天才画家”と呼ばれながらも、突然人々の前から姿を消した津山竜次でした。
かつて竜次の恋人だった田村の妻・杏奈は、彼がいる小樽へ向かいます。もう会うことはないと思っていた2人の再会。しかし、竜次の身体は病にむしばまれていました。
残り少ない時間の中で彼は何を描くのか?彼が秘めていた想いとは?
孤高の画家・津山竜次を演じるのは、本木雅弘さん。荒々しくも繊細な男。最後の命の一滴まで絞りとるようにキャンバスに向かう凄まじい姿は、スクリーンから圧を感じるほどです。
竜次のかつての恋人で、現在は画家・田村の妻、安奈役には小泉今日子さん。長年胸に秘めていた2人の恋心に胸が痛くなります。
竜次の活動を傍で見守る謎めいた男スイケンに中井貴一さん、世界的な画家・田村には石坂浩二さん、贋作事件を追う美術鑑定の権威は仲村トオルさんと、名優が集結!素晴らしいアンサンブルを奏でています。
メガホンをとったのは、『沈まぬ太陽』や『Fukushima 50』の若松節朗監督。
「倉本聰が書いたシナリオを間違わないようにちゃんと映像化することが僕の任務だった」という監督が、どのように映像化したのか?ふたつの才能のハーモニーも見どころです。
倉本さんは、過去の贋作事件を例にとり、「美術作品の価値というものは社会的権威によって保証される。だがその価値基準は元々極めて主観的なものである。だから世の中には贋作が絶えない。美とは何なのか。権威とは何なのか。これは、そうした矛盾に立ち向かったひとりの天才画家の悲劇である」と、話しています。
絵画の贋作や改作は、古今東西、常に問題になっています。
目の前の絵が、我々が知る人気画家のものではないとわかった時、あなたの評価は変わるのでしょうか?
『海の沈黙』
11月22日(金) TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国公開
公式サイト:
本木雅弘
小泉今日子 清水美砂 仲村トオル 菅野 恵 / 石坂浩二 萩原聖人 村田雄浩 佐野史郎 田中 健 三船美佳 津嘉山正種
中井貴一
原作・脚本:倉本 聰
監督:若松節朗
2024年|日本映画|112分|映倫区分G
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024 映画『海の沈黙』INUP CO.,LTD
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