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10/13は、現代に生きる私たちに新たな視点と気づきをくれる3本をご紹介。

3本目は、堂本剛さん主演。偶然描いた〇が大ブレイク！自分なのに自分じゃない人生が転がり出す
『まる』

主人公は、美大を卒業したもののアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配も気力もなく、言われたことを淡々とこなす毎日に慣れきっています。
ある日、通勤途中に自転車で転んで利き腕を骨折。アシスタントをクビになってしまいます。
部屋に帰ると床には蟻が1匹。その蟻に導かれるように左手に持った刷毛で描いた〇が知らぬ間にSNSで拡散され、べらぼうな値段が付きます。無限や悟りを表す“見事な円相”だともてはやされ、正体不明のアーティスト「さわだ」として一躍有名に！
突然、超有名人となった「さわだ」は段々と〇にとらわれ、日常が〇に浸食されていくのです…。

メガホンを取ったのは、独特の世界観で奇妙なおかしみのある人間たちを描き、国内外で高く評価されている荻上直子監督。
2年前から熱烈オファーを続け、普段はしないアテ書きをして主演に迎えたのは堂本剛さん。27年ぶりの単独主演で、周りに振り回される受け身のキャラクターを淡々といい味付けで演じました。
さらに今回は、自身のソロプロジェクト.ENDRECHERI.と堂本剛のダブルネームで、初めて映画音楽にもチャレンジしています。

そして、主人公・沢田を取り巻くキャラクターには、綾野剛さん、吉岡里帆さん、森崎ウィンさん、柄本明さん、早乙女太一さん、片桐はいりさん、吉田鋼太郎さん、小林聡美さんといった超豪華キャスト陣が競演！
皆さんそれぞれ強い個性を活かしながら、まとまりのある“まるい”ハーモニーを奏でているのはさすがです。

沢田は部屋に帰ると水槽に向かって「祇園精舎の鐘の声  諸行無常の響きあり」とぶつぶつと平家物語を唱えるような人。
全体的には静かな作品なのに展開が奇想天外で、ドキドキワクワクしながら目が離せませんでした。
平家物語に茶道や仏教と、人間の根本と向き合う普遍的な題材に心惹かれます。荻上監督の『川っぺりムコリッタ』がとても好きだったのですが、ちょっと似ている気がしました。
普遍的なものに、現代のSNSや格差などを上手に掛け合わせ、おかしみのある唯一無二の物語に仕上がっています。
福徳円満、円満具足…「もっともっと！」と思いがちな現代の私たちに、何が大切なのか気づかせてくれます。

『まる』
10月18日(金) ロードショー

公式サイト：映画「まる」公式サイト (asmik-ace.co.jp)
出演：堂本剛
綾野剛／吉岡里帆　森崎ウィン　戸塚純貴　おいでやす小田　濱田マリ
柄本明／早乙女太一　片桐はいり　吉田鋼太郎／小林聡美
監督・脚本：荻上直子『かもめ食堂』『彼ら が本気で編むときは、』
音楽：. ENDRECHERI.／堂本剛
主題歌：堂本剛『街 movie ver.) 』
制作プロダクション：アスミック・エース、ジョーカーフィルムズ
製作・配給：アスミック・エース
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