おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/6は、主人公の女性たちが直面する前代未聞の物語を3本をご紹介。
1本目は、大統領選挙目前!社会の分断がかつてないほど深刻化するアメリカに向け、イギリスの鬼才ガーランド監督が鳴らす警鐘
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』

数多くの傑作を世に送り出してきたスタジオA24が過去最高額の予算を投じて製作した作品。
アメリカ合衆国で南北戦争(Civil War)が始まった日から163年後、今年の4/12に公開され、大ヒットしました。

舞台は、分断の果てに内戦が勃発したアメリカ合衆国。
なんと任期3期目のために憲法を改正した大統領の横暴に対し、連邦政府から19の州が離脱。テキサス州とカリフォルニア州の同盟軍・西部勢力と大統領率いる政府軍が激しい武力衝突を繰り広げていたのです。
政府軍の敗戦が濃厚となる中、ニューヨークに滞在中の戦場カメラマンのリーと記者のジョエルは、D.C.陥落を前に14ヶ月の間一度も取材を受けていない大統領への単独取材を計画します。
前線のシャーロッツビルまでは、リーの恩師・ベテラン記者のサミーと、リーに憧れる若手カメラマンのジェシーも同乗することになり、4人はニューヨークを出発。
D.C.までの距離は1,379km。車を走らせる間ジャーナリストチームが直面する戦争の真の恐怖とは…?

監督・脚本を務めたのはイギリスの鬼才アレックス・ガーランド。
主人公リーには、『スパイダーマン』三部作や『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の名優キルステン・ダンスト。
若手カメラマンのジェシーには、『プリシラ』や『エイリアン:ロムルス』で主演を果たしたケイリー・スピーニーが抜擢されました。

4人がニューヨークからD.C.に到着するまでの道のりは、いつ命を落とすかわからない恐怖の連続。明確なはずの敵がいつの間にか曖昧になり、誰もかれもが「殺らなければ殺られる」と思考が変わってしまう恐ろしさ…戦争とは無秩序で、残忍なのだと実感しました。
そして、リアルな音や手持ちのカメラワークがもたらす最後のD.C.突入の緊張感といったら!自分が、銃弾やミサイルが飛び交う混乱の真っただ中に放り込まれてしまったような没入感は、味わったことがありません。
もちろん今まで見てきた戦争映画でも臨場感はありましたが、どこか遠い戦場という感じもしていました。でも、この作品で感じたのは、今生活しているこの時間、この場が戦場になってしまうという恐怖です。ドキュメンタリーに近いものがありました。

国という共通の概念を失った時、人間はどうなってしまうのか?
人々が他の人を人間だと思わなくなった時何が起こるのか?
この作品を観て、私たちが今どこに向かっているのか、どこに向かわなければならないのか改めて考えました。

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
10月4日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
公式サイト:映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』|10月4日(金)公開 (happinet-phantom.com)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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