ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2024.08.18

サンデー早起キネマ『ソウルの春』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
8/18は、自分もその場にいるような臨場感、スクリーンの世界に引き込まれる3本。

2本目は、歴史を揺るがせた衝撃の事件!魂が燃えたぎる至高のエンターテインメント
『ソウルの春』

そう、“プラハの春”に由来する“ソウルの春”。
1979年10月26日、朴正煕大統領・暗殺直後から翌1980年5月17日の非常戒厳令拡大措置までの「民主化ムードが漂っていた政治的過度期」のことです。
そして、5月18日には10日間にわたる民主化運動と武力弾圧、光州事件が起きるわけです。
この作品で描かれるのは、“ソウルの春”の前半。“粛軍クーデター”などと言われ、全斗煥が中心となり韓国民主化への希望を圧殺した実際の事件です。
韓国で公開されるやいなや、韓国現代史の運命を変えた事件に怒り震えた国民の4人に1人が鑑賞し、2023年観客動員数第1位のメガヒットになりました。

1979年10月26日、独裁者とも言われた大韓民国大統領が、側近に暗殺されました。国中に衝撃が走りますが、民主化を期待する国民の声は日に日に高まっていきます。
しかし、暗殺事件の合同捜査本部長に就任したチョン・ドゥグァン保安司令官は、陸軍内の秘密組織“ハナ会”の将校たちを率いて、自らが新たな独裁者として君臨すべく、同年12月12日にクーデターを決行。
一方、高潔な軍人として知られる首都警備司令官イ・テシンは、部下の中にハナ会のメンバーが潜む圧倒的に不利な状況の中、自らの軍人としての信念に基づき“反逆者”チョン・ドゥグァンの暴走を食い止めようと立ち上がります。
クーデターを起こした権力の亡者に、一人立ち向かった信念の男。
ソウルに銃声が響き渡った日。あの夜の9時間に渡る戦いで、一体何が起きていたのでしょうか?

メガホンを取ったのは、『アシュラ』の名匠キム・ソンス監督。19歳の時に、このクーデターを経験。たった一晩で権力を簒奪したことへの驚きと悔しさが、何年たっても忘れられないといいます。
44年間抱き続けた宿題の答えをこの映画に託したいという監督の思いをスクリーンに蘇らせたのは、素晴らしい俳優陣。

実在のモデルは全斗煥。権力を得るため手段を選ばない策士チョン・ドゥグァン役は、ファン・ジョンミン。怪演という言葉がピッタリ。恐ろしいほど底なしの貪欲さが滲み出る素晴らしい役者魂でした。
モデルはチャン・テワン。軍人として信念を貫く鎮圧軍のイ・テシンには、チョン・ウソン。正義と優しさを兼ね備えた高潔なイメージにピッタリ!感情移入し過ぎてしまうほどです。

朴正煕大統領の暗殺事件を描いた『南山の部長たち』、そして光州事件を扱った『タクシー運転手 約束は海を超えて』の二つの作品をつなぐ答え合わせのような作品。
独裁者の座を狙う男と、国を守ろうとした男の、刻一刻を争う9時間の戦いに、結果はわかってはいるけれどドキドキハラハラ!そして悔し涙…韓国映画独特のリアリティに圧倒されました。
国家の命運を懸けた9時間の攻防!たった一晩のうちに繰り広げられるエキサイティングな“善と悪の対決”を是非見届けて下さい。

『ソウルの春』
8月23日(金) 新宿バルト9ほか全国公開

公式サイト:https://klockworx-asia.com/seoul/ 
監督:キム・ソンス
脚本:ホン・ウォンチャン、イ・ヨンジュン、キム・ソンス
出演:ファン・ジョンミン、チョン・ウソン
イ・ソンミン、パク・ヘジュン、キム・ソンギュン、チョン・マンシク、チョン・ヘイン、イ・ジュニョク
2023年/韓国/韓国語/142分/シネマスコープ/5.1ch/字幕翻訳:福留友子/字幕監修:秋月望
原題:서울의 봄(英題:12.12: THE DAY)/G/配給:クロックワークス
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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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