おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
6/2は、名優たちの演技が光る“日本の今”を切り取った作品を3本。
2本目は、河合優実さん主演。ある少女の壮絶な人生を綴った新聞記事を基に描く、衝撃の人間ドラマ
『あんのこと』
2020年、コロナ禍の日本で実際に起きた「1人の女性が命を断った」事件をモチーフに、『SRサイタマノラッパー』シリーズや『AI崩壊』の入江悠監督が映像化しました。
主人公は、シャブ中で、ウリの常習犯、香川杏、20歳。幼い頃から母親に虐待され、12歳から売春を強いられるという、過酷な人生を送ってきました。
ある日、覚醒剤使用容疑で取り調べを受けた彼女は、多々羅という変わった刑事と出会います。大人を信用したことのない杏でしたが、なんの見返りも求めず就職を支援し、ありのままを受け入れてくれる多々羅に、次第に心を開いていきます。
一方、週刊誌記者の桐野は「多々羅が薬物更生者の自助グループを私物化し、参加者の女性に関係を強いている」という情報を得て、慎重に取材を進めていました。
ちょうどその頃、新型コロナウイルスが出現。
やっと手にした居場所や人とのつながりはあっという間に失われて、孤立して苦しむ杏。そんなある朝、身を寄せていたシェルターの隣人から思いがけないことを頼まれるのですが……。
杏を演じたのは、ドラマ「不適切にもほどがある!」での熱演が話題となった河合優実さん。
「この役と、主人公のモデルになった女性を自分が守る」という強い意志で、見事に演じ切りました。
そして、杏に更正の道を開こうとする熱血ベテラン刑事・多々羅に佐藤二朗さん、
2人を取材するジャーナリストに稲垣吾郎さん、お二人とも素晴らしかったです。
監督は、「胸が締めしけられるような題材を扱ってはいるが、この映画は決して露悪的なものにしたくなかった。むしろ、過酷だった杏の人生と世界の美しさは共存するはずだという、祈りにも似た気持ちが根底にあった」と話しています。
この作品は、コロナ禍を通して露わになった、社会の歪みばかりではなく、それでも生きようとする彼女の意志、その目がたしかに見た美しい瞬間も描き出しているのです。
私たちはそこに救いを見出すとともに、杏は私たちのそばにいたのだということが実感できます。そして、杏が“今もどこかにいる”ということを、“あんのこと”を忘れてはならないのです。
『あんのこと』
6月7日(金)新宿武蔵野館、丸の内TOEI、池袋シネマ・ロサほか全国公開
公式サイト:映画『あんのこと』公式サイト|2024年6月7日(金)全国公開 (annokoto.jp)
河合優実 佐藤二朗 稲垣吾郎
河井青葉 広岡由里子 早見あかり
監督・脚本:入江悠
配給:キノフィルムズ
上映時間:114分
© 2023『あんのこと』製作委員会
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