ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2024.01.23

サンデー早起キネマ『コット、はじまりの夏』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/21は、素敵な女性の生き方や成長から、心が自由になるヒントがもらえる3本をご紹介。

2本目は、緑豊かな自然の中で、優しい人たちに育んでもらった大切なこと…特別な夏休みの愛おしさに満ちた希望の物語
『コット、はじまりの夏』

原作は、クレア・キーガンの「Foster」。ベルリン国際映画祭・国際ジェネレーション部門のグランプリ受賞をはじめ、世界各国の映画賞を席巻しました。

舞台は、1981年夏のアイルランドの田舎町。
大家族の中でいつも孤独を感じている9歳の少女コットは、お母さんのお腹にいる赤ちゃんが生まれるまでの夏休みを、遠い親戚夫婦のキンセラ家で過ごすことになります。
寡黙なコットを優しく迎え入れるアイリンに髪を梳かしてもらったり、口下手で不器用ながら妻・アイリンを気遣うショーンを手伝って子牛の世話をしたり、ふたりの温かな愛情をたっぷりと受け、ひとつひとつを丁寧に生活していくうち、はじめは戸惑っていたコットの心境も変化していきます。
緑豊かな農場での丁寧な暮らしに、今まで経験したことのなかった生きる喜びに包まれ、自分を解放していくコット。
いつしか3人は、本当の家族のようにかけがえのない時間を重ねていくのですが…。

主人公コット役は、圧倒的な透明感で目が釘付けになるキャサリン・クリンチ。
コットが抱えてきた人生を諦めてしまったような気持ちから生きる喜びにあふれていく様子を、これが映画デビューとは思えない繊細な演技で見事に表現しました。
アイルランドのアカデミー賞といわれるIFTA賞の主演女優賞を、史上最年少の12歳で受賞しました。

コットのように、自分の居場所が見つからず、違う場所を求めるような感情は、幼い頃は誰でもありますよね。特に女の子はそういう大人びたようなところがあると思います。忘れてしまったはずの遠い記憶の扉をノックされたような、「あの頃」に逢わせてくれたような、とても瑞々しい感性をもらいました。
映像も素晴らしいです!緑豊かな田舎の美しさ、スクリーンからでも感じられる木洩れ日の温かさ。
アイリンがコットを連れて水を汲みに行く泉がある“あの森”に行ってみたいです!
丁寧に生活すること、優しさを持って全てに接すること、生と死は身近にあること…自分の家ではできなかった宝石のような体験を通し、生きて行く上で大切な自分の核を手に入れたコット。この先何があってもきっと大丈夫!
私たちもコットと一緒にそんな経験をしませんか?

『コット、はじまりの夏』
2024年1月26日(金) 
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開

公式サイト: https://caitmovie.jp
【監督・脚本】コルム・バレード 
【出演】キャリー・クロウリー、アンドリュー・ベネット、キャサリン・クリンチ、マイケル・パトリック
配給:フラッグ
© Inscéal 2022

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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