ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2024.01.21

サンデー早起キネマ『哀れなるものたち』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/21は、素敵な女性の生き方や成長から、心が自由になるヒントがもらえる3本をご紹介。

最後は、ヴェネチア国際映画祭で最高賞・金獅子賞を受賞!
ヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが誘う“映画史上最も大胆で、空前絶後の大冒険”
『哀れなるものたち』

原作は、スコットランドの作家アラスター・グレイの同名の傑作ゴシック小説。
私はこの小説の存在を知らなかったので、この映画を観て、その奇想天外さに心底驚きました。
こんなに不思議で魅惑的な物語、聞いたことも見たこともない!原作も読んでみようと思います。

さて、そんな物語の主人公は、純真無垢な若い女性ベラ。実は、彼女は自ら命を絶ったのですが、天才外科医ゴットウィンの手で奇跡的に蘇生したのです。
ゴットウィンの庇護のもと日に日に回復するベラでしたが、「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられ、放蕩者の弁護士ダンカンに誘惑されるがまま、ヨーロッパ横断の旅に出ます。
その旅を通して、急速にどん欲に、世界を吸収していくベラは、やがて時代の偏見から解き放たれ、自分の力で真の自由と平等を見つけていくのです。
そんな中、ある報せを受け取ったベラは帰郷を決意するのですが…。

純粋で自由なヒロイン・ベラを演じるのは、エマ・ストーン。
社会規範に縛られない未発達な人間が、世界を体験し成熟した女性になっていく…その大変なプロセスを見事に魅せてくれました。
一度死んだはずのベラが命を吹き返し手に入れた2度目の人生は、父親のようなゴッドウィンに守られた自由な世界でした。
しかし彼女は、旅に出て、出逢った人たちを通して、今まで知らなかったことに直面します。
自分というアイデンティティ、社会における男性・女性というジェンダー、男尊女卑の思想、貧富の差…でも、社会規範に縛られていない自由な魂を持った彼女は、臆することなく、思うがままに行動できるのです。

私たちの社会でずっと普通だと思われてきたけれど実は悪、良くないこともありますよね。この作品はその悪をも質していると思うのです。だから世界が混沌としている今、ご覧頂きたいのです。
もう一度ゼロから人生を始められるとしたら…どんな風に生きて行きたいか?自分の思想の根本にも向き合わざるを得なくなる、そんな物語でした。

いつの時代でも通じるおとぎ話のようなホラーミステリー
抑圧された社会を愉快に風刺する解放された女性の自由な魂の物語

『哀れなるものたち』
1月26日(金)より全国公開

公式サイト:哀れなるものたち | Searchlight Pictures Japan
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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