ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2024.01.07

サンデー早起キネマ『燈火(ネオン)は消えず』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/7は、俳優たちの演技に心をわしづかみにされる東アジアの作品を3本ご紹介。

1本目は、香港の煌びやかなネオンを巡る職人たちの心意気と夫婦の愛を描いたノスタルジックな感動作
『燈火(ネオン)は消えず』

香港と聞けば“100万ドルの夜景”を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
その夜景を彩っていたのは、赤・青・緑・黄色…色鮮やかなネオンサイン、ガラス管ネオンの看板。所狭しと飾り立てられた街を歩くと、ネオンの洪水を浴びたような気分になったものです。
しかし、そのネオンは2010年の建築法等改正以降、10年間で9割も姿を消してしまいました。
それでも香港には今も「その灯を消さない」と奮闘するネオン職人たちがいます!

主人公は、腕利きのネオン職人の夫・ビルを亡くしたばかりの妻メイヒョン。彼女は、かつてSARSが香港を襲った時、夫にネオンの仕事を辞めさせたことを後悔していました。
ある日、メイヒョンは、10年前に廃業したはずの「ビルのネオン工房」と書かれた鍵を見つけます。訪ねてみると、そこにいたのは、夫の弟子だという青年レオ。
メイヒョンは、ビルが亡くなったので工房を閉めると告げますが、レオは「師匠にはやり残したネオンがある、それを完成させるまでやろう」とメイヒョンを説得。
夫の思いを知ったメイヒョンは、レオに教わりながらネオン作りの修行を始めます。
一方、ひとり娘からは、香港を離れて海外へ移住すると告げられてしまいます。
果たして夫の最後のネオンは、無事完成するのでしょうか? 
 

妻メイヒョン役は、『過ぎゆく時の中で』『呉清源~極みの棋譜~』の名女優シルヴィア・チャン。
昔気質のネオン職人の夫ビルに『イップ・マン 序章』『七人樂隊』のサイモン・ヤム。
ずっと一緒に生きてきたふたりの歩みが見えるような、素晴らしい演技でした。
夫が亡くなったことで明らかになる、夫や娘、周りの人達の思い…とても切ないのですが、それでも、人の思いはずっとどこかに残り、誰かに引き継がれていくのだと信じさせてくれました。
二度と戻れない、再び会うことはないけれど、心の中ではずっとネオンのように灯っているのです。

これが長編デビューのアナスタシア・ツァン監督が、「9割のネオンが消えてしまった香港を、もう一度輝かせたい」という願いを込めた作品。実在のネオン職人が登場するエンドロール、そしてラストのサプライズまで、是非ご覧ください!ネオン輝く香港を訪れたことがある方は、うわぁ~っと声を出してしまうかもしれません。
独自の文化が消えゆく中、ネオン職人たちに、全ての香港人に捧げられたノスタルジックな感動作。是非大スクリーンで、ネオンのシャワーを浴びて下さい、あの頃のように…。

『燈火(ネオン)は消えず』
1月12日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネマート新宿ほか全国順次公開

公式サイト:https://moviola.jp/neonwakiezu
英語題:A Light Never Goes Out|中国語題:燈火闌珊|2022|香港映画|103分|
プロデューサー:サヴィル・チャン
監督・脚本:アナスタシア・ツァン
出演:シルヴィア・チャン、サイモン・ヤム、セシリア・チョイ、ヘニック・チャウ 
配給:ムヴィオラ
©A Light Never Goes Out Limited. All Rights Reserved.

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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