おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
12/31は、お正月映画を3本ご紹介。
3本目は、スペインの作品。「生まれ変わったら女の子になれるかな…」《本当の自分》を探す子供の葛藤と、寄り添う家族の物語
『ミツバチと私』

オーディションで500人の中から選ばれ主人公を演じた新人、ソフィア・オテロの可愛さと、映画初出演とは思えない、とんでもない達者な演技に驚愕です。
第73 回ベルリン国際映画祭で、史上最年少の9歳で主演俳優賞を受賞しました(撮影時は8歳)。
東京国際映画祭では、ジェンダー平等、環境、貧困、多様性、差別など現代の重要な社会テーマに向き合った作品が対象となる「エシカル・フィルム賞」を受賞しています。

夏のバカンスで、スペインのバスク地方に滞在することになった母アネと3人の子供たち。
末っ子のアイトールは、自分の性自認がよく分からず、“ココ=坊や”と呼ばれるのが嫌で反発し、心を閉ざしていました。
しかし、アネの叔母さんが営む養蜂場でミツバチの生態を知ったアイト―ルは、ハチや自然と触れ合うことで心がほぐれ、「ありのままの自分で生きていきたい」という思いを強くしていくのです。
そして、“女の子になりたい”という思いでドレスを着ようとしますが、仕事のため遅れてバカンスにやってきた保守的な父親に反対され、両親を巻き込んだ大げんかに発展!
果たして、アイトールは、家族はどうなってしまうのでしょうか?

メガホンをとったのは、これが長編初監督、スペインの若手監督として注目されているエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン監督。
「家族との関係が、自分探しの旅にどう影響するのかを探りたかった」というように、トランスジェンダーの悩みを抱える子供本人だけではなく、その母、祖母と三世代の視点を交え、それぞれの考えで人生を生き抜く姿を描いています。

年代によって内容は違っても、みんな何かしらの痛みや悩みを抱えているのですよね。家族は悩める一人一人の集合体なのだと実感しました。
ジェンダーの問題を大きく取り上げながらも、誰にでも共感できる“自分探し”の物語。
スペイン・バスク地方の緑豊かな風景の中で、自然光だけで撮影した美しい映像も必見です。

『ミツバチと私』
2024.1.5(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
公式サイト:映画『ミツバチと私』オフィシャルサイト| (unpfilm.com)
監督・脚本:エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン
撮影:ジナ・フェレル・ガルシア 美術:イザスクン・ウルキホ
編集:ラウル・バレラス
出演:ソフィア・オテロ パトリシア・ロペス・アルナイス アネ・ガバライン
2023年/スペイン/128分/1:1.85/スペイン語・バスク語・フランス語/英題:20,000 SPECIES OF BEES/カラー/5.1ch/字幕:大塚美左恵
配給:アンプラグド 後援:駐日スペイン大使館
© 2023 GARIZA FILMS INICIA FILMS SIRIMIRI FILMS ESPECIES DE ABEJAS AIE

2025.12.21
サンデー早起キネマ『この本を盗む者は』
おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ” 12/21の3本目は、2人の少女が“本の世界”を旅する謎解き冒険ファンタジーアニメーション 『この本を盗...

2025.12.21
サンデー早起キネマ『映画ラストマン -FIRST LOVE-』
おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ” 12/21の2本目は、大人気のテレビドラマがスクリーンに帰ってきました 『映画ラストマン -FIRST ...

2025.12.21
サンデー早起キネマ『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ” 12/21の1本目は、世界中が待っていたといっても過言ではありません。 ジェームズ・キャメロン監督の伝説...

2025.12.14
サンデー早起キネマ『悪魔祓い株式会社』
おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ” 12/14の3本目は、<悪魔>も“拳”で一撃必殺!? 世界で愛されるマブリーが、企画・原案・主演で挑む痛快...

2025.12.14
サンデー早起キネマ『シャドウズ・エッジ』
おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ” 12/14の2本目は、ジャッキー・チェン主演!追跡のエキスパートが率いる警察VS元暗殺者が従える犯罪集団の...