ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

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2023.11.05

サンデー早起キネマ『ぼくは君たちを憎まないことにした』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
11/5は、多様性・ダイバーシティの意味を今一度ちゃんと考察したくなる3本をご紹介。

2本目は、フランスから発信された世界的ベストセラー小説の映画化!心揺さぶる感動の実話
『ぼくは君たちを憎まないことにした』

原作は、2015年のパリ同時多発テロ事件で最愛の妻を失ったアントワーヌ・レリスが、テロ発生から2週間の出来事を綴った同名小説です。

ジャーナリストで小説を書いているアントワーヌは、メイクアップアーティストの妻エレーヌと1歳半の息子メルヴィルと3人、幸せに暮らしていました。
しかし、2015年11月13日金曜日、パリで同時多発テロ事件が発生。コンサート会場にいたエレーヌはその犠牲となってしまったのです。最高の母であり、最愛の妻が、突然、天国へ行ってしまった…そんな時でも息子はお腹を空かせ、砂で遊び、絵本の読み聞かせをねだります。
誰とも悲しみを共有できない苦しみと、これから続くワンオペ育児への不安をはねのけるように、アントワーヌは手紙を書き始めます。妻の命を奪ったテロリストへ…。
それは、息子と二人でも「今まで通りの生活を続ける」との決意表明であり、亡き妻への誓いのメッセージ。Facebookに投稿したその手紙は、一晩で20 万人以上がシェアし、新聞の一面を飾ります。そして、動揺するパリの人々をクールダウンさせ、テロに屈しない団結力を芽生えさせていったのです。

主演は『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』『エッフェル塔 創造者の愛』のピエール・ドゥラドンシャン。負の感情と自らの言葉の間で苦悩する、感受性豊かなアントワーヌを熱演。感情が見えるようでした。
妻のエレーヌには、シンガーソングライターでもあるカメリア・ジョルダーナ。とっても魅力的でした。
そして、ママの不在に悲しみの涙を流し、笑顔を忘れたパパを支える愛息子メルヴィルには、
当時3歳だったゾーエ・イオリオ。観ているだけで涙が出る可愛さ!しかも信じられない演技力です!

混乱するアントワーヌの内面を映画化したのは、マラソンに挑戦する老人たちをほのぼのと描いたコメディ『陽だまりハウスでマラソンを』 のキリアン・リートホーフ監督。
「私たちの愛は、究極的にはこの世界に存在する憎しみより強い。たとえ、憎しみが私たちに大きな傷を負わせることがあってもだ。アントワーヌは、フェイスブックでのメッセージでこう宣言した。《私と息子は2人きりだ。でも世界中の軍隊より強い》。これは私たちの希望だ」と話しています。
そう!この作品は、最愛の人を突然奪われてしまった一人の人間が、息子への愛を糧に、悲しみ、苦しみ、憎しみを乗り越えようとし、さらに大きな愛を多くの人に示す希望の物語なのです。だからこそ、憎しみ合う人々が戦う今、全世界の人たちに見て欲しいのです。

『ぼくは君たちを憎まないことにした』
11月10日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国公開

公式サイト:映画『ぼくは君たちを憎まないことにした』公式サイト (nikumanai.com)
監督・脚本:キリアン・リートホーフ『陽だまりハウスでマラソンを』
原作:「ぼくは君たちを憎まないことにした」
2022年/ドイツ・フランス・ベルギー/フランス語/102分/シネスコ/5.1ch/原題: Vous n‘aurez pas ma haine/英題:YOU WILL NOT HAVE MY HATE /日本語字幕:横井和子/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム/後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
©2022 Komplizen Film Haut et Court Frakas Productions TOBIS / Erfttal
Film und Fernsehproduktion

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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