ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.09.10

サンデー早起キネマ『ダンサー イン Paris』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
9/10は、それぞれの街で懸命に生きる主人公を描いた3本をご紹介。

2本目は、パリとブルターニュを舞台に心と身体の傷をエネルギーへと変える術を教えてくれる唯一無二のダンスムービー
『ダンサー イン Paris』

主人公は、世界最高峰のバレエ団、パリ・オペラ座で、エトワールをめざすエリーズ。
しかし、ステージの合間で、恋人の浮気現場を目撃!動揺したままステージに上がってジャンプの着地に失敗し、足首を痛めてしまいます。
医師から「踊れなくなる可能性がある」と告げられ呆然とするエリーズ。幼い頃から支えてくれた母を亡くしてからも、ひたすらバレエ一筋の日々を送ってきましたが、脚が治らなければ新しい生き方を探すしかありません。
そんなエリーズに、ブルターニュでの仕事が舞い込みます。ダンスや室内楽・合唱など、アーティストたちに練習の場を提供する宿泊施設で、料理係のアシスタントを務めることになったのです。
そこで、今を時めく注目のダンスカンパニーと出会い、独創的なコンテンポラリーダンスが生み出される過程を目撃するエリーズ。やがて、誘われるまま練習に参加。未知なるダンスを踊る喜びと新たな自分を発見していくのです。

監督は、このコーナーでは『おかえり、ブルゴーニュへ』をご紹介したセドリック・クラピッシュ。
ワイン作りと映画のマリアージュを、今回はダンスとの素晴らしい関係を描き出してくれました。

エリーズを演じるのは、パリ・オペラ座バレエ団のプルミエール・ダンスーズで、クラシックとコンテンポラリーを自在に行き来するマリオン・バルボー。
ダンスシーンに一切のスタントを使わないと決意した監督が、「ダンスをする俳優ではなく、演技をするダンサーを選びたかった」と映画初出演にして主演に抜擢した逸材です。
バレエもコンテンポラリーダンスも素晴らしいのはもちろん、失恋の苦しみやどん底から立ち直っていく過程も、映画初出演とは思えないほどの演技力でした。さすがダンサーですね。

そして、エリーズが出会うダンスカンパニーの主宰者には、コンテンポラリー界の奇才として名を馳せる振付師ホフェッシュ・シェクターが本人役で出演。
ダンスが出来上がっていく様子は、ドキュメンタリーを観ているようで興味深かったです。

冒頭15分間のバレエシーンと最後のコンテンポラリーのシーンは、ダンスがそれほど好きではない方も圧倒されますし、ダンサーたちの肉体はなんと雄弁なのだろうと驚かされます。全てを失ったと思ったところから新たな道が始まる…エリーズの物語は私たちに前に進む勇気を与えてくれます。

『ダンサー イン Paris』
9月15日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開

公式サイト : www.dancerinparis.com
監督:セドリック・クラピッシュ 振付・音楽:ホフェッシュ・シェクター
出演:マリオン・バルボー、ホフェッシュ・シェクター、ドゥニ・ポダリデス、ミュリエル・ロバン、ピオ・マルマイ、フランソワ・シヴィル、メディ・バキ、スエリア・ヤクーブ
【原題:EN CORPS/2022/フランス・ベルギー/フランス語・英語/日本語字幕:岩辺いずみ/118分/ビスタ/5.1ch】
配給:アルバトロス・フィルム、セテラ・インターナショナル
© 2022 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA Photo : EMMANUELLE JACOBSON-ROQUES

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    パーソナリティ
    • ひろたみゆ紀
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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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