ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.09.03

サンデー早起キネマ『ウェルカム トゥ ダリ』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
9/3は、映像の美しさとストーリーの面白さに引き込まれる3本をご紹介。

2本目は、20世紀で最も偉大な芸術家の真の姿
『ウェルカム トゥ ダリ』

シュルレアリスムの代表作家としても称えられるサルバドール・ダリ。
グニャリとした柔らかい時計や変形した肉体など、それまでの価値観や常識を覆す作品で人々を魅了し、人気と名声を獲得。ダリというキャラクターも彼が発する言葉も注目されました。
この作品は、そんなダリが、ポップカルチャー全盛期を迎えた70年代のニューヨークで、ファッション、音楽、アートを、時代の最先端に立って牽引していく姿を、一人の男の目を通して描いています。

1974年、ニューヨークの画廊で働き始めたジェームスは、オーナーから頼まれて、ホテルのスイートルームに滞在するダリ夫妻にお金を届けに行きます。
そこは、まさしく奇想天外な〈ダリ・ランド〉としか表現できない世界!
ピンとはね上げたトレードマークの口髭と奇抜なスタイル、圧倒的なカリスマ性を持つダリを囲むのは、有名ミュージシャンや最先端のファッションを纏いきらびやかなモデルたち、そして、ダリに負けないオーラに包まれた妻のガラ。
そこでダリ夫妻に気に入られたジェームスは、画廊で開く個展が終わるまで、ダリのアシスタントを勤めることに。しかし、個展は3週間に迫っているのに、ダリはパーティー三昧で作品は一枚も完成していません。とうとう個展の3日前、突然ガラがブチギレ!「貧乏はもうたくさん!お金よ!」
するとダリは「インスパイアされた」と目を輝かせ、前衛的な作品を完成させます。
しかし、個展は散々で作品も売れず、ジェームスは画廊をクビになってしまいます。
それをみかねたダリの秘書が新しい仕事をくれます。そして、ダリが帰郷したスペインの
ポルト・リガトを訪ねたジェームスは、画家の原点に触れるという新たな感動に震えますが、そこにはさらに不思議で危うい〈ダリ・ランド〉が待ち受けていたのです。

自信家でありながら、繊細さを併せ持つダリを変幻自在に演じたのは、名優ベン・キングズレー。
ダリの尻を叩き、良くも悪くも創作の源ともいえるガラ役は、ドイツを代表する女優バルバラ・スコヴァ。
ストーリーテラー・ジェイムスは、この作品が長編映画デビューのクリストファー・ブライニー。ニューヨークとロンドンの演劇学校の膨大な卒業生の名簿の中から見出された納得の逸材です。

ダリの作品のように一筋縄ではいかぬ感性と、ガラとの関係など、意外なことばかり。
ガラを本当に頼りにしていたとても純粋人だったんですよね。
天才であるが故に平凡ではいられなかったダリ。ダリとは一体何者だったのか?
心浮き立つポップカルチャーの裏に秘められた20世紀の偉大な芸術家の真の姿に迫る作品を是非ご覧ください。

『ウェルカム トゥ ダリ』
9/1(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開

公式サイト:dali-movie.jp
監督:メアリー・ハロン(『アメリカン・サイコ』) 
出演:ベン・キングズレー バルバラ・スコヴァ クリストファー・ブライニー ルパート・グレイヴス アレクサンダー・ベイヤー 
アンドレア・ペジック withスキ・ウォーターハウス andエズラ・ミラー
2022年/イギリス/英語/98分/カラー/ビスタ/5.1ch/字幕翻訳・渡邉貴子/PG12/
提供:木下グループ 
配給:キノフィルムズ 
© 2022 SIR REEL LIMITED 

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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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