ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.08.27

サンデー早起キネマ『復讐の記憶』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
8/27は、親子、高校生の男女、歳の離れたバディ…2人の主人公に魅せられる3本をご紹介。

3本目は、韓国から届いたハラハラドキドキのアクション、バディムービー。60年越しの復讐は果たされるのか?
『復讐の記憶』

原作は、2015年のカナダ・ドイツ合作映画、第二次世界大戦をベースにした『手紙は憶えている』。
韓国の歴史と社会文化を織り交ぜながら、ラストも変更する大胆リメイクに挑戦したのは、この作品が『華麗なるリベンジ』に続き、長編2作目のイ・イルヒョン監督です。

80代のピルジュは、日本統治時代に家族全員を理不尽な出来事で亡くして以来、家族を死に追いやった裏切り者への復讐を誓い生きてきました。
認知症に見舞われた今、彼は、自分の指に処刑すべき5人の名前のタトゥーを入れ、60年前から計画していた復讐殺人を決行すべく、銃を手に立ち上がります。
免許を返納してしまったピルジュは、最近まで働いていたファミリーレストランの同僚、貧困家庭ゆえの借金に苦しむ20代のインギュに高額な報酬で運転を頼みます。
レンタカーの真っ赤なポルシェに喜び、復讐のことなど何も知らないインギュでしたが、最初の殺人現場付近の監視カメラに映っていたため、第一容疑者にされてしまいます。
記憶を失う前に復讐を遂げたいピルジュと、警察に追われながらもピルジュを止めようと行動を共にするインギュ。前代未聞のバディと化した2人は、予測不能な追走劇へ身を投じ、やがて、衝撃の真実が明らかになるのです!

そう!本当に衝撃の真実です。「え~?!あれはそういうことだったのかっ!」伏線もしっかり回収できます。
ピルジュを演じたのは、“千の顔を持つベテラン俳優”イ・ソンミン。
50代の彼が、最長4時間の特殊メイクで臨んだ姿は、その振る舞いまで80代そのもの。イ・ソンミンの演技力をもってすれば当然のことです。シニアのアクションも見応えがありました。

バディは、数々のドラマで日本でもファンが多いナム・ジュヒョク。
モデル出身、身長187cmのシュッとしたスタイルなのに、純朴ないい人感が漂う独特の味があります。
イ・ソンミンとのやり取りは、お互いを思いやる祖父と孫のようでもあり、「フレディ」「ジェイソン」とあだ名で呼び合う親友でもあり、ユーモアと愛情に包まれた見事なバディでした。

ピルジュの復讐が進むにつれてあらわになる過去に、「そういう時代だった」とはいえ胸が痛くなります。ただ、ピルジュとインギュの世代の差が、歴史への考え方の違いにもなり、興味深かったです。
記憶があるうちに復讐を成し遂げることはできるのか?それとも途中で捕まってしまうのか?
カーチェイスにアクション、騙し合いとドキドキハラハラの連続!
喜怒哀楽、驚き恐れ、痛み恨み、優しさ、愛おしさ、温かさ…すべての感情が詰まった作品の感動の結末をご堪能下さい。

『復讐の記憶』
9月1日からシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開

公式サイト:映画『復讐の記憶』公式サイト (fukushu.jp)
2022年製作/128分/G/韓国
原題:리멤버
配給:ハーク
Ⓒ2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & MOONLIGHT FILM ALL RIGHTS RESERVED.

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    • ひろたみゆ紀
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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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