ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.08.13

サンデー早起キネマ『ふたりのマエストロ』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
8/13
は、かけがえのない家族を描いた3本をご紹介。

2本目は、観たことのない圧巻のエンディングに拍手喝采!不揃いな家族の再起の物語
『ふたりのマエストロ』

パリの華やかなクラシック界で、オーケストラの指揮者として大活躍する父と息子。
父フランソワ・デュマールは、40年の輝かしいキャリアを誇る大ベテラン。息子のドニ・デュマールも指揮者としての才能を発揮、大きな賞を獲るなど今や飛ぶ鳥を落とす勢いです。しかし、授賞式に父の姿はありませんでした。
そんなある日、父のもとに一本の電話がかかってきます。それは夢にまで見た世界最高峰〈ミラノ・スカラ座〉の音楽監督への就任の依頼でした。
しかし、ドニは父の偉業を素直に喜ぶことができません。翌日、ドニにスカラ座の総裁から呼び出しが。なんと“デュマール違い”で秘書が父に電話してしまい、本当は息子に依頼するはずだったというのです。
ドニは父に真相を伝えなければならない苦渋の選択を迫られます。
やがて、初めて親子が腹を割って本音で語るため向き合った時、父の口から今まで語られなかった衝撃の真実が明かされます。果たして親子の確執の行く末は?

え~?!こんな終わり方があったんだ!思いもよらないラストシーンには、本当に驚きました!
でも、そのシーンを見て、「ああ、この作品をみてよかったな」と心から思えるようなラストでした。

息子のドニを演じたのは、『ぼくの妻はシャルロット・ゲーンズブール』で、実生活でも夫婦であるシャルロットと共演・監督を果たしたイヴァン・アタル。
父のフランソワ役は、フランスが誇る大俳優ピエール・アルディティ。
同じ職業の父親と息子、しかも芸術分野ですから、お互いをライバル視することも多々あると思います。その複雑な感じをこの二人が見事に演じて見せてくれました。特に初めて2人が向き合うシーンは、目が離せません。

「僕はいつも「父親の最も美しい敗北は、息子に追い越されることである」というアリストテレスの言葉を思い出す」と話すブリュノ・シッシュ監督。
息子が父を超える時何を思うのか?自分の長年の夢を誰かが叶えてしまった時、祝福できるのか?真実は伝えるべきなのか?など、少なからず誰もが経験のあるテーマを扱っています。だから共感できるのです。

息子に追い越されてしまう父の感情、真実を告げてもらえない苦しみ。息子としては、自分が大きな舞台に立つことへの不安、父への負い目、真実を告げられない辛さ…など、現在の感情はもちろん、2人が父と子として過ごしてきた何十年の想いもあります。さらに、妻として母としての想い、息子の息子・孫の気持ちも関わってきます。
ちょっと歪だけれど魅力ある家族が、どんな結末を迎えるのか、是非ご覧ください。
作品を彩るクラシック音楽も聞き逃せませんよ。

『ふたりのマエストロ』
8/18(⾦)ヒューマントラストシネマ有楽町、
Bunkamuraル・シネマ 渋⾕宮下、シネ・リーブル池袋 ほか全国順次公開

公式サイト : gaga.ne.jp/MAESTROS
監督:ブリュノ・シッシュ
出演:イヴァン・アタル、ピエール・アルディティ
ミュウ=ミュウ、キャロリーヌ・アングラーデ、パスカル・アルビロ、ニルス・オトナン=ジラール
配給:ギャガ
宣伝協⼒:ミラクルヴォイス
2022/フランス/原題:MAESTRO(S)/88分/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳:松岡葉⼦<PG12>
© 2022 VENDÔME FILMS ‒ ORANGE STUDIO ‒ APOLLO FILMS

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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