ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

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2023.08.06

サンデー早起キネマ『ミャンマー・ダイアリーズ』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
8/6は、現在、過去、未来の“
人間の業に翻弄される人々”を描く3本をご紹介。

1本目は、【現在】…圧政に突如奪われた市民の日常。匿名の映画作家たちが放つ、世界に向けた“命がけのSOS”
『ミャンマー・ダイアリーズ』

東南アジアのミャンマーでは、2021年2月1日、軍がクーデターを起こし再び政権を掌握しました。
これに反発した民衆の大規模な抗議デモが全国各地で勃発。人々は抵抗のシンボルとしてピースではなく、“3本指”を掲げ、洗面器やフライパンを叩いて軍政に反対する声をあげますが、軍の弾圧行為は激化し、人々の自由と平穏な暮らしは崩れていきます。

インターネットは定期的に遮断され、軍に都合が悪い情報を発信するメディアやSNS投稿が処罰の対象になるなど、国内外に情勢を伝えることが困難な中、若手ミャンマー人の映画作家たちが匿名で“ミャンマー・フィルム・コレクティブ”を結成。
彼らが制作したこの作品は、10人の映画監督による短編映画とSNSに投稿された一般市民の記録映像をつないで、抑圧された人々の切実な思いを紡いでいます。

例えば、抗議活動に参加した事で指名手配され引き裂かれるパートナー、理由もわからず拘束される母を守ろうと泣きわめきながら抵抗する幼い子ども、軍と戦うために地元を離れジャングルで戦闘訓練を受ける若者たち、自身が拘束される様子を必死に配信するジャーナリストなど、ドキュメンタリーとフィクションを行ったり来たりしながら、市民の声の断片を生々しく伝えています。

信じられないのは、自分の国の大切な国民を棒で殴り、平気で銃を発砲する軍や警察。自国民を殺めるなんて…これが数十年前ではなく、今現在起きていることなのです。鳥肌が立ちました。
一番印象的だったのは、1人の母親が、軍や警察に向かって、「私は怖くない!こんなことをしてはダメだ」と声を張り上げ説教する姿。心打たれました。
撮影は、クーデターが起きた直後の2021年2月下旬~8月にかけておこなわれました。
その時期のミャンマーを記録し、今も混乱が続くミャンマーの切実な状況を伝える作品として、
とても重要です。

©︎ Panorama

また、この作品の公開を記念して、今、無料で配信されているのが『2月1日』という12分間の短編ドキュメンタリーです。
クーデター以降に焦点をあてた『ミャンマー・ダイアリーズ』と、そこに至るまでの日々を描く『2月1日』、2つの作品をあわせて観ると、彼らの変わってしまった暮らしや失ったもの、彼らが闘う理由が浮き彫りになるのです。
私たちがミャンマーの現実を知ることが、非道を止めることにつながると信じたいです。

『2月1日』(監督・脚本:モモ、レイラ・マケール  製作:パノラマプロダクション 配給:E.x.N)
期間限定の無料配信は、電子チケット販売サービス「teket」から申し込んで下さい。
申し込みは、ここをクリック
※視聴期間:2023 年8 月31 日(木)23:59 まで

『ミャンマー・ダイアリーズ』
8月5日(土)より、ポレポレ東中野ほか全国順次公開

公式サイト:www.myanmar-diaries.com
監督・制作:ミャンマー・フィルム・コレクティブ(匿名のミャンマー人監督たちによる制作)
原題:Myanmar Diaries | 2022年 | オランダ ミャンマー ノルウェー | 70分 | ミャンマー語 |カラー | DCP | 5.1ch 
配給:株式会社E.x.N  
© The Myanmar Film Collective

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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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