ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.07.23

サンデー早起キネマ『658km、陽子の旅』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
7/23は、心を揺さぶられる3本をご紹介。

2本目は、打って変わって私たちの心の中にもいるであろう女性の物語
『658km、陽子の旅』

『嘘を愛する女』『哀愁しんでれら』『この子は邪悪』等、話題作を輩出する映画オリジナル企画コンテストTSUTAYA CREATORS’ PROGRAM (TCP)からまた新たな作品が誕生。
受賞した室井孝介氏の原案を、熊切和嘉監督がドラマティックな作品に仕上げました。

主人公は、就職氷河期世代・42歳・独身の陽子。人生を諦めフリーターとしてなんとなく毎日を過ごしています。
ある日、夢を反対され20年以上疎遠になっていた父が、突然亡くなったという知らせが届きます。
従兄の茂とその家族と共に、東京から故郷・青森県の弘前へ帰るため車で出発しますが、途中のサービスエリアでトラブルを起こした子どもに気を取られた茂一家に置き去りにされてしまいます。陽子の荷物は車の中です。
所持金もなくヒッチハイクで青森に向かうことにした陽子、一夜の旅でいろんな人々に出逢います。懸命に働くシングルマザー、人懐こいワケアリの女の子、怪しいライター、心暖かい老夫婦と親子、そして陽子の前に立ちはだかるように現れる若き日の父の幻…彼らとの出逢いで止まっていた陽子の心は大きく揺れ動いていきます。
父の出棺は明日正午。冷たい初冬の風が吹きすさぶ中、はたして陽子は出棺までに父の元にたどり着けるのでしょうか。

ほとんど引きこもり状態で人と話すことも苦手、最初は「途中まで乗せて下さい」の一言がトイレで練習してもなかなか言えなかった陽子。
でも、車に乗せてもらわないと先に進めません。やむを得ず人と関わることになってしまい、そのお陰で少しずつ変わっていく姿に、観ている私たちの意識も変わります。
最初はちょっとイラっとしましたが、いつの間にか頑張れと応援している自分に気づきました。

そんな陽子を演じたのは、菊地凛子さん。海外で活躍する菊地さんの初の邦画単独主演です。
流石の演技力!車に乗り換える度に少しずつ成長していく陽子を応援したくなるのです。
そして、自分の中にも、陽子がいると気づくのです。ああ、自分もそうだった…って。
失敗しない人はいない、最初から完璧な人なんていない、まだ大丈夫、いつからだって人は変われる、陽子を見ていると、自分で自分を励ましたい気持ちになります。
658kmの一夜のヒッチハイクの旅は、陽子も私たちも一緒に成長させてくれました。

『658km、陽子の旅』
7月28日(金)ユーロスペース、テアトル新宿他全国順次公開

公式サイト:『658㎞、陽子の旅』映画公式サイト/7月28日(金)全国順次公開 (culture-pub.jp)
監督:熊切和嘉 原案&共同脚本 室井孝介 
出演:菊地凛子 / 竹原ピストル 黒沢あすか 見上愛 浜野謙太 / 仁村紗和 篠原篤 吉澤健 風吹ジュン / オダギリジョー
配給: カルチュア・パブリッシャーズ
©2022「658km、陽子の旅」製作委員会

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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