おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
7/23は、心を揺さぶられる3本をご紹介。
1本目は、彼女の崇高なる不屈の魂が世界を変えた!誇り高きその生き方に胸が熱くなる感動の物語
『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』
エディット・ピアフ、グレース・オブ・モナコと、世紀の女性を描いてきたオリヴィエ・ダアン監督3部作のラストを飾るのは、女性政治家シモーヌ・ヴェイユ。
例えば1974年、カトリック人口が多数を占め、男性議員ばかりのフランス国会で、シモーヌは、レイプによる悲劇や違法な中絶手術の危険性などを提示して「喜んで中絶する女性はいません。中絶が悲劇だと確信するには、女性に聞けば十分です」と、圧倒的反対意見をはねのけ、後に彼女の名前にちなんで“ヴェイユ法”と呼ばれる“中絶法”を勝ち取りました。
また、1979年には女性初の欧州議会議長に選出され、大半が男性である理事たちの猛反対の中で、「女性の権利委員会」の設置を実現。
女性だけではなく、移民やエイズ患者、刑務所の囚人など、弱き者たちの人権のために闘いました。
その信念を貫く不屈の意思は、かつてアウシュヴィッツ収容所に送られ、“死の行進”、両親と兄の死を経て、それでも生き抜いた壮絶な体験に培われたものでした。
この作品は、シモーヌの幼少期から晩年までの彼女の人生そのものを描いています。
「年表のない、行ったり来たりする記憶こそがこの物語の要だ」と監督がいうように、幼い頃、収容所にいた戦時中、政治家としての戦いなど、時代が交錯します。
だからこそ、彼女の人生の節々に何が起きたのかが、印象的に私たちの心にも刻まれていくのです。
シモーヌ・ヴェイユ役は、生前シモーヌ本人が「もし私の人生が映画になるならこの人しかいない」と話していたというエルザ・ジルベルスタイン。8kg増量して撮影に臨みました。
「今こそシモーヌの声を届ける時だ」と使命に燃えた彼女の演技は、威厳と迫力に溢れ、引き込まれます。
2017年に89歳で亡くなると国葬が執り行われ、キュリー夫人などの偉人たちが眠るパンテオンに5人目の女性として合祀されたシモーヌ。
2016年のフランスの新聞の著名人・有名人 人気ランキングでは堂々の2位。その人気に呼応するように、この作品は、2022年フランス国内映画の年間興行成績№1の記録を樹立しました。
筆舌に尽くしがたい経験をし、その経験を活かし多くの人を救ってきた彼女の人生は、私たちに、回復と再生の可能性、そして明るい未来へ続く道筋を示してくれます。
なぜあれほどまでに弱き者のために闘えたのか?彼女の壮絶な奇跡の人生を一緒に辿ってみませんか?
『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』
7月28日(金)より
ヒューマントラストシネマ有楽町
新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
公式サイト:映画『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』公式サイト (simonemoviejp.com)
出演:エルザ・ジルベルスタイン、レベッカ・マルデール、オリヴィエ・グルメ、エロディ・ブシェーズ
2022年/フランス/フランス語/140分/カラー/シネスコサイズ
配給:アットエンタテインメント
Ⓒ2020 – MARVELOUS PRODUCTIONS – FRANCE 2 CINEMA – FRANCE 3 CINEMA
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