ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.06.25

サンデー早起キネマ『オレンジ・ランプ』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
6/25は、躓いても転んでも、諦めずに頑張る主人公の姿に涙が流れる3本をご紹介。

3本目は、実話をもとに描く優しさに満ちた希望と再生の物語
『オレンジ・ランプ』

このタイトルには深い意味があります。オレンジは、日本では認知症のシンボルカラー。
「小さな灯でも、みんなで灯せば世界はこんなにも明るくなる」と言う「認知症になっても安心して暮らせる社会づくり」につながって欲しいという願いが込められているのです。

妻・真央と2人の娘と暮らす39歳の只野晃一は、カーディーラーのトップ営業マン。休日には仲間とフットサルを楽しむなど、充実した毎日を送っていました。しかし、ある時から顧客の名前や約束を忘れるなどの異変を感じるようになっていきます。
そんな彼に下された診断は、“若年性アルツハイマー型認知症”。
驚き、戸惑い、人生が終わってしまったような不安と恐怖に押しつぶされていく晃一は、とうとう辞表を書くことに。心配のあまり何でもしてあげようとする真央。
しかし、ある出会いがきっかけで、彼ら夫婦の意識が変わり始めます。そして、「人生を諦めなくても良い」と気づいた彼らを取り巻く世界が、みるみる変わっていくのです。

私たちは、晃一や真央と同じで、「認知症になったら終わり」と言う偏見があると思います。でも、そうではありません。この作品を観て、私は認知症のことを何一つ知らなかったと思い知らされました。
晃一は、認知症の方々の集まりに参加し、認知症がどういうものなのか、知ることができました。「認知症になっても人生をあきらめなくていい」ことを実感し、そのための手立てを見出していくのです。
例えば…認知症であることをオープンにする意義や、仕事や日常生活を続けるための工夫。
「自分でできることは自分でしたい。困った時だけ助けてほしい」という気持ちを伝える勇気。
そして思いを伝え合うことで、家族や職場と見出していくより良いおおらかな環境。
また誰にとっても大切なのは、「辛いときには周りを頼っていいのだ」ということ。
…この作品が、優しく温かな眼差しで時にはユーモアで包み込むように、私たちに教えてくれます。
真央役は貫地谷しほりさん、晃一には和田正人さん。2人の息がピッタリで、本当に素敵なご夫婦です。

認知症本人や家族が認知症とどのように向き合えば笑顔で生きられるのか?
認知症になっても安心して暮らせる社会とは?その1つの指標となり得るこの作品は、年齢を重ねていくすべての人が、よりよく幸せに生きるためのヒントにも溢れています。
39歳で若年性認知症と診断された夫とその妻の9年間の軌跡を実話に基づき描き出す優しさに満ちた希望と再生の物語は、私たちの未来を温かな光で照らしてくれます。

『オレンジ・ランプ』
6 ⽉30 ⽇(⾦)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA 他 全国ロードショー

公式サイト:映画『オレンジ・ランプ』公式サイト (orange-lamp.com)
監督:三原光尋
企画・脚本・プロデュース:⼭国秀幸
脚本:⾦杉弘⼦  
原作:⼭国秀幸「オレンジ・ランプ」(幻冬舎⽂庫)
オレンジ・ランプ/A LIFE WITH MY ALZHEIMERʼS HUSBAND/⽇本/⽇本語/2023/ビスタ/5.1ch/100分/
©2022「オレンジ・ランプ』製作委員会

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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