ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2022.10.23

サンデー早起キネマ『アフター・ヤン』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/23は、人の思いって素晴らしいなと思わせてくれる3本をご紹介。

1本目は、近未来を舞台にした心がキュンとするヒューマンドラマ
『アフター・ヤン』

舞台は、“テクノ”と呼ばれる人型ロボットが、一般家庭にも普及した数十年先の近未来。
小さな茶葉の専門店を営むジェイク、妻のカイラ、中国系の幼い養女ミカ、そしてミカのシッターロボットのヤンは、慎ましくも幸せな日々を送っていました。
まだ幼いミカに寄り添い、アジアの文化や歴史など多様な知識を教えるヤンは、本当の兄のよう。
そんなある日、ヤンが突然故障して動かなくなってしまいます。
ヤンに会いたい!ふさぎ込んだミカのため修理の手段を模索するジェイクは、ヤンの体内に一日毎に数秒間の動画を撮影・記録できる特殊なパーツが組み込まれていることを発見します。メモリバンクに保存された膨大な数の映像には、まだ赤ちゃんだったミカが成長する過程や家族との何気ない日々、緑豊かな自然の風景などが写っていました。
そしてさらに、ヤンがこの家に来る前に出会った若い女性の姿が記録されていたのです。ジェイクは大切な家族であるヤンの過去を知るため、謎の女性が誰なのか探り始めますが、そこには意外な真実が隠されていたのです。

生活の中にロボットが当たり前に存在する近未来を描いたSF映画なのですが、不思議と懐かしいような、人として大切なことが描かれているような、そんな作品なのです。
原作は、アレクサンダー・ワインスタインの短編小説「Saying Goodbye to Yang」。
『コロンバス』で長編デビューを飾った韓国系アメリカ人のコゴナダ監督は「平凡な中に宿る真実の方が好き」といいます。普通の日常生活の描写を通して、私たちが忘れていた大切なことを思い出させてくれます。
でも普通といっても、部屋の調度品や衣装は、過去と未来が入り混じったように不思議で、光の具合も美しいんです。

ヤンの秘密を探るジェイクを演じたのは、監督曰く“葛藤を抱えた内面を体現する詩人”コリン・ファレル。ジェイクがのめり込み職業にまでした歴史も香りも味も奥深い茶葉の世界と通じるものがあります。

ジャスティン・H・ミンが演じるヤンが本当に素敵!養女のミカが友達にホントの親子じゃないと揶揄われたら新しい品種を作るためのアジアの技・接ぎ木を見せて「君も家族だよ、素敵だね」って言ってくれたり、パパとはお茶について深い考察をしたり、ママとは蝶々が歴史的にどんな意味を持つか語り合ったり…
そんなヤンが壊れた後に家族に残したものとは?心にじんわり来ますよ。ミカもとっても可愛いです。
科学的にはありえないロボットの感情=愛は存在するのか?
さして遠くない未来に現実化しうる人とロボットとの関係はどうなっていくのでしょうか?

『アフター・ヤン』
10月21日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開

公式サイト:https://www.after-yang.jp
監督・脚本・編集:コゴナダ
原作:アレクサンダー・ワインスタイン「Saying Goodbye to Yang」(短編小説集「Children of the New World」所収)
出演:コリン・ファレル、ジョディ・ターナー=スミス、ジャスティン・H・ミン、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ、ヘイリー・ルー・リチャードソン
2021年|アメリカ|英語|カラー|ビスタサイズ|5.1ch|96分|原題:After Yang
字幕翻訳:稲田嵯裕里|映倫区分:G(一般)|配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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