おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/16は、三者三様の個性が光る人間模様を描いた邦画3本をご紹介。
1本目は、高橋克実さん映画初主演、地元で生きる人々への人間賛歌
『向田理髪店』
原作は、直木賞受賞作家 奥田英朗さんの同名の小説。原作を読んでみたくなりました。
寂れた元炭鉱の町・筑沢。向田康彦と妻の恭子が営む理髪店のお客さんは近所の人がほとんどです。康彦は、仕事が終わると近所のスナックで、中学からの同級生たちと寂れていく町の愚痴を言い合う毎日を送っています。
ある日、東京で働いていた息子の和昌が、店を継ぐため会社を辞めて帰ってきます。
和昌をはじめ地元の若者たちは、町をどうにかしたいと熱い思いを抱いていますが、かつて自分もそうだった父親たちは、そんなに簡単ではないと対立ムードに。
やがて、和昌たちもその現実を目の当たりにしていくのです。
そんな中、人気アイドルが主演の映画が筑沢で撮影されることになり、エキストラの出演など、一気に町が活気付きます。この撮影をきっかけに康彦をはじめ、恭子も和昌も、町の人たちが変わりはじめます!
停滞した町に暮らす彼らが、外からの刺激を受け、見つけたそれぞれの答えとは?
脚本・監督は、NHKドラマ「ツレがうつになりまして。」の脚本、『純平、考え直せ』などの森岡利行氏。
寂れた田舎町の理髪店の親子の葛藤を軸に、過疎化、少子高齢化、介護、結婚難など、どの地方も抱える深刻な問題をちょっぴり切なくユーモラスに描いた作品は、家族の絆や人とのつながりの大切さを思い出させてくれ、ほっこりした気持ちになります。
若い頃は東京で働き、帰郷して店を継いだ康彦を演じたのは、映画初主演の高橋克実さん。寂しさとユーモアが同居した高橋さん、自分の人生を宿命だと受け入れる父親役がハマります!何気ないのに深さを感じさせる物言いやセリフのない最後のシーンに、涙が溢れました。
妻の恭子は富田靖子さん、息子の和昌は白洲迅さんが演じました。
父と息子の対立を優しく見守る母親…まるで本当の親子のように温かく共感できます。
他に、板尾創路さん、近藤芳正さん、根岸季衣さんなど、どこにでもいそうな等身大の市井の人々を演じる確かな演技力に引き込まれます。
時代と共に変わりゆく故郷でどう生きていくのか?みんなが必要としているその答えがここにあります。
『向田理髪店』
2022年10月14日より新宿ピカデリーほか全国公開
公式サイト:映画「向田理髪店」公式サイト (mukouda.com)
原作:奥田英朗「向田理髪店」(光文社文庫刊)
脚本・監督:森岡利行
製作プロダクション・宣伝・配給:キャンター
©2022 映画「向田理髪店」製作委員会
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