おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/9は、3つの国のそれぞれ象徴的な物語を3本ご紹介。
1本目は、7人の監督が“香港の美しい瞬間”を全編35ミリフィルムで撮ったオムニバス映画
『七人樂隊』
プロデュースを兼任したジョニー・トー監督の呼びかけで、香港を代表する7人の監督が集まり、全部で111分、1950年代から未来まで、香港の各時代の瞬間を収めた7つの短編を撮りました。
7つの物語を簡単にご紹介していきましょう!
物語の皮切りは、ご存知“カンフー映画のキング”サモ・ハン監督が、修業時代のエピソードを取り上げた「稽古」。
1950年代の師弟関係が厳しくも微笑ましく郷愁を持って描かれています。
続いては、影響力のある女性監督の一人アン・ホイ監督の「校長先生」。
1960年代の教師と教え子たちの絆を人情味豊かに描きました。心が温かくなる素敵な物語です。
3つ目は、香港ニューウェーブの旗手パトリック・タム監督の「別れの夜」。
1980年代、家の都合で離れ離れになる高校生の恋人同士、最後の夜の刹那的な青春ロマンスです。
4つ目は、ジャッキーチェンを大スターに押し上げたカンフーマスター、ユエン・ウーピン監督の「回帰」。
イギリスから中国への香港返還を前にした1997年。おじいちゃんと孫娘の交流を温かく描いています。
5つ目の物語は、海外でも評価の高いアクション・ノワールの巨匠ジョニー・トー監督の「ぼろ儲け」。
2000年代、投資で成功することを夢見る若者たちをコミカルに風刺したユニークな作品です。
6つ目は、ハリウッド進出も果たしたリンゴ・ラム監督の「道に迷う」。
2018年、お正月を香港で過ごすためイギリスから里帰りした中年男が、妻子と待ち合わせをしますが、なかなかたどり着けません。様変わりしてしまった街を一人の男の心象風景に重ねた感動作。惜しくもこれがリンゴ・ラム監督の遺作となりました。
そして、最後を締めくくるのは、“香港のスピルバーグ”として名を馳せたツイ・ハーク監督の「深い会話」。
未来を舞台に、精神科医と患者の対話が予測不能にねじれていく不条理コメディ。ホントは誰が医者で患者は誰なのか?テンポの良いやり取りや、飛び出す言葉に香港映画へのオマージュが溢れていて思わずニヤリ!
この7つ作品は独立したストーリーなのに、なぜか時空を超え情緒的に響き合い、
魅惑的な七重奏を奏でます。香港への愛を感じるからでしょうか?
香港という場所の歴史的積み重ねでもあるんですよね。香港という特別な地が存在することの証明です。
「フィルム時代が終わろうとしている今、あの美しい時のスピリッツを遺すために、もう一度フィルム映画を作ろうと呼びかけた」というジョニー・トー監督。
香港そのものが変わりつつある今、香港映画の良き時代、香港の良き時代を思い出させてくれる金字塔となりました。
7つの作品の中に必ずあなたの好きな物語が見つかりますよ。
『七人樂隊』
10月7日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
公式サイト:septet-movie.musashino-k.jp
2021年/香港/広東語/111分/ビスタ/5.1ch/原題:七人樂隊/英題:Septet:The Story of Hong Kong 日本語字幕:鈴木真理子/配給:武蔵野エンタテインメント/PG12
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