ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2022.10.02

サンデー早起キネマ『千夜、一夜』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/2は、スクリーンから圧倒的な魅力が溢れる主人公たちの物語を3本ご紹介。

2本目は、180度違うタイプの作品です。
ある日突然、大好きな人が理由もわからずいなくなってしまったらあなたはどうしますか?待ち続けることはできますか?静かに心を揺さぶられる作品、田中裕子さん主演
『千夜、一夜』

舞台は北の離島の美しい港町。登美子の夫が突然姿を消してから30年が経ちました。彼はなぜいなくなってしまったのか?どこかで生きているのか?それとも死んでいるのか?
同じ町に住む漁師の春男は、登美子に長いこと思いを寄せていますが、登美子は意に介さず、夫とのささやかな想い出を抱きしめながら帰りをまっています。
そんな登美子のもとに、2年前に失踪した夫を探す女性・奈美がやってきます。
彼女は自分の中で折り合いをつけ前に進むために、なぜ夫はいなくなってしまったのか、その理由を探していました。
そんなある日、登美子は町中で、偶然失踪した奈美の夫を見かけるのです……。

夫の帰りを待ち続けるひとりの女性の強さや脆さを繊細に体現!田中裕子さん、渾身の演技です。
そして、登美子と正反対、待つことに区切りをつけたい奈美役は、尾野真千子さん。また、春男役にダンカンさん、失踪した奈美の夫は安藤政信さん、春男の母親に白石加代子さん、他に平泉成さん、小倉久寛さんなど、実力派が揃い物語に深みが増しました。

年間およそ8万人。なんの数字だと思いますか?
日本全国の警察に届けられる行方不明者の数です。
理由もわからず家族が失踪してしまったら、残されたものは何を思うのか?人はどんな時に姿を消したいと思うのだろうか?…興味をそそられたドキュメンタリー出身、『家路』の久保田直監督がオリジナル脚本で映画化しました。

年間8万人もの方々の行方がわからなくなっているという事実に心底驚きました。
そして、人の思いは自分でもどうにもならないものなのだと実感させられました。ジグソーパズルのピースのようにピタッとハマればいいのにって思っても、そうはいかない。人の思いはある意味厄介。でもその厄介を抱えながら生きて行かなきゃならないのも人なんですよね。

「狂おしい日々を背負いながら待ち続ける主人公、これは愛の映画です」久保田監督の言葉です。
そして、「帰ってこない理由なんかないと思ってたけど、帰ってくる理由もないのかもしれない」という登美子の言葉。
人の思いはやっぱり厄介、でもその思いを抱えて人は生きて行く…果ては?

『千夜、一夜』
10月7日(金)テアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国公開

公式サイト:https://bitters.co.jp/senyaichiya/
田中裕子 尾野真千子 安藤政信 白石加代子 平泉成 小倉久寛 / ダンカン
監督・編集:久保田直 脚本:青木研次 音楽:清水靖晃
配給:ビターズ・エンド
2022年/日本/カラー/5.1ch/ビスタ/DCP/126分
Ⓒ2022映画『千夜、一夜』製作委員会

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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