ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

  • TOP
  • ブログ一覧
  • サンデー早起キネマ『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』
2022.08.07

サンデー早起キネマ『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
8/7は、8/12に公開される大人の映画を2本ご紹介。

1本目は、芸術や文学を愛する人に贈りたい大人の愛の物語
『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』

原作は、第二次世界大戦中に書かれたハンガリーの作家ミラン・フストの同名の小説。
といっても舞台は、第一次世界大戦後の1920年代、ヨーロッパでのお話です。

ストーリーテラーは、有能で頼りになる貨物船の船長ヤコブ。航行中、身体の不調が続いていた彼は、乗組員から「それは船乗り特有の病気で、結婚すれば改善する」と聞かされます。
そして、船を降りマルタ共和国のカフェで友人と会ったヤコブは、「カフェに最初に入ってきた女性と結婚する」と宣言。
そこに入ってきた若く美しい女性リジーにプロポーズし、なんと本当に結婚してしまう2人。
幸せなひと時を過ごしますが、ヤコブはまた船に乗らなければなりません。戻ってくるのは4か月後。
やがて陸に上がったヤコブを待ち受けていたのは、自由奔放なリジーの男友達デダン。
ヤコブはだんだん二人の仲を怪しみ、嫉妬を覚えるようになります。そして……。

この作品、なんと169分、およそ2時間50分という大作ですが、7つに章立てされているせいか、それほど長さを感じませんし、ストーリーが整理され長さを感じませんし、海とヨーロッパの街並みの美しさに引き込まれます。
『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』=妻と過ごした日々がヤコブの目を通して語られていきます。
海の上では経験豊富で優秀な船長であるヤコブが、陸に上がり、最愛の妻を理解しようとするものの船をコントロールするようにはいかない結婚生活、彼の苦悩が描かれます。

とにかく妻が魅力的なんです。若くて美人でおしゃれ。自由奔放で会話も面白い!さらにセクシー!!男性を翻弄する小悪魔的な魅力です。まあ、ヤコブはイチコロですな。
リジーを演じたのは、『フレンチ・ディスパッチ』や『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のレア・セドゥ。
自由に振る舞うようになった女性がファッションをけん引した1920年代のモダンな衣装に身を包み、コロコロ変わるキュートでセクシーな表情にくぎ付け。リジー役は彼女しかいません。

頼れる海の男、イケおじ、イケてるおじさんヤコブ役はオランダの名優ハイス・ナバー。
古典的な男らしさと、妻に翻弄される脆さの演技は絶賛もの。
また、リジーの男友達、知的で洗練された青年デダン役、フランス映画界大注目のルイ・ガレルも出番はそう多くはないものの鮮烈な印象を残しています。

監督は、ハンガリーの鬼才イルディゴー・エニェディ。女性らしい繊細さで丹念に物語を紡ぎます。
人の根底にある感情、中でも厄介なのが愛と嫉妬なのかもしれませんね。
“疑心暗鬼”とはよく言ったものです。いつの時代も欲望に翻弄されるのが人間の性なんでしょうか?
愛と嫉妬、騙し合い…何が本当で何が嘘なのか?思いがけないエンディングに心震えます。

『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』
 8月12日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、ユーロスペースほか全国公開

公式サイト:https://mywife.ayapro.ne.jp/
監督・脚本:イルディコー・エニェディ 
出演:レア・セドゥ、ハイス・ナバー、ルイ・ガレル、セルジオ・ルビーニ、ルナ・ウェドラー
プロデューサー:モニカ・メーチ 原作:ミラン・フスト 
撮影:マルツェル・レーブ 音楽:アダム・バラージュ
2021/ハンガリー・ドイツ・フランス・イタリア/英語・フランス語・オランダ語・ドイツ語・イタリア語/シネマスコープ/169分/PG-12 /原題:A feleségem története  
配給: 彩プロ
© 2021 Inforg-M&M Film – Komplizen Film – Palosanto Films – Pyramide Productions – RAI Cinema – ARTE France Cinéma – WDR/Arte

最新番組ブログ
    パーソナリティ
    • ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

    • 過去のホームページ
    • 中山秀征の有楽町で逢いまSHOW
    • 週刊 なるほど!ニッポン
    • ウィークエンド・ケアタイム 「ひだまりハウス」 ~うつ病・認知症について語ろう~