おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
2/13は、20世紀半ばを舞台にした作品を3本ご紹介。
2本目は、ナチスの蛮行に端を発した、密室で繰り広げられる究極のサスペンス
『マヤの秘密』
ホロコーストをテーマにした作品は数えきれないほど制作され、今も作られています。
この作品もその一つ。ただし、主人公はユダヤ人ではなく、ロマ民族です。
ご存知のように、ナチスドイツは、ユダヤ人のほかにもロマ民族や精神疾患患者、障害者、同性愛者なども迫害していました。
舞台は、第二次世界大戦が終わって10年以上がたった1950年代後半、アメリカ郊外の街。
ロマ民族のマヤは、アメリカ人の夫と息子と3人で平穏に暮らしていましたが、ある日、街で男を見かけ“ある悪夢”がよみがえります。
マヤは、ナチスの収容所から逃げる途中、ナチスの軍人だったその男に暴行され、妹を殺されていたのです。
復讐のため男を誘拐したマヤは、夫の手を借りて地下室に監禁。しかし、その男は、自分はスイス人で人違いだと主張します。
果たして彼は本当にナチスの軍人なのか?あるいはトラウマを抱えたマヤの妄想なのか?
そして、知らなかったマヤの秘密を知ってしまった夫はどうするのか?
「え……?」思いがけない想像を絶するエンディングに、しばし茫然としてしまいました。
ユダヤ人であるユヴァル・アドラー監督は「とても心をかき乱される結末なんだ。本作のようなしっくりこないエンディングは、議論がわき、心に残る。観客たちがそれぞれの中で消化しなければならない、このような作品は興味深い」と話しています。
マヤを演じたのは、サスペンスの女王といわれるノオミ・ラパス。お父さんがロマ人なのです。当初はユダヤ人女性が主人公でしたが、実際に演じるノオミの背景を取り入れ、今まで語られなかった新たなエッセンスを加えることに成功しました。
戦争が終わって15年ほど後の話ですが、ずっと苦しんでいる人がいたんですよね。
そして、きっと今でもまだいると思うのです。戦争は人をおかしくさせます。惨いことも平気でさせます。
ただ、それは戦争だけではないかもしれませんね。
状況は違えど苦しむ人はいつの時代も必ず生まれてしまう…だからこそ、ご覧ください!一緒に考えていきましょう。
マヤの悪夢は妄想か?現実か?
『マヤの秘密』
2月18日、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
公式サイト:映画『マヤの秘密』公式サイト (maja-secret.com)
監督・脚本:ユヴァル・アドラー 製作総指揮:ノオミ・ラパス
製作:ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ、エリク・ハウサム 音楽:ヨハン・セデルクヴィスト 撮影:コーリャ・ブラント
出演:ノオミ・ラパス、ジョエル・キナマン、クリス・メッシーナ、エイミー・サイメッツ
2020年/97分/アメリカ/英語/カラー/シネスコ/5.1ch /G maja-secret.com
原題:The Secrets We Keep 日本語字幕:片野 佑介 配給:STAR CHANNEL MOVIES
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