ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

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2021.12.19

サンデー早起キネマ『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
12/19は、クリスマスシーズンにピッタリなほっこり心が温まる作品を3本ご紹介。

3本目は、デンマークから届いた家族それぞれの成長と愛の物語
『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』

デンマークののどかな郊外で暮らすエマは、地元のサッカークラブで活躍する11歳の女の子。
パパとママ、姉のカロリーネと、毎日をのびのびと楽しく過ごしています。
ところがある日突然、穏やかで幸せな生活が一変!なんと両親が離婚するというのです。しかもその理由は「パパが女性として生きていきたいから…」。
それってどういうこと?それならどうして子供を作ったの?エマにはわからないことだらけです。
ホルモン治療で女性らしくなり、名前もトマスからアウネーテに変え、やがてタイで性別適合手術を受けて帰ってきたパパの急激な変化を姉のカロリーネは受け入れますが、エマは戸惑うばかりです。
「大嫌い!パパなんて死んじゃえ!」そう叫びながらも、本当はパパのことが大好きなエマ。
やがて、数々の葛藤の果てに気づいた本当の自分の気持ちとは?

作品の中に、エマが幼い頃、家族で撮ったビデオが流れるのですが、絵にかいたような幸せな映像。
だからこそ、パパはパパのままで、そのままでいて欲しい、変化を受け入れたくないというエマの気持ちが痛いほどよくわかります。

女優として活動後、短編映画を発表してきたマルー・ライマン監督の初長編作品。
ここ数年、トランスジェンダーの作品が数々作られています。しかし、トランスジェンダーをカミングアウトする当事者ではなく、娘の視点から描くユニークな作品は、11歳の時、自身の父親が女性になった監督の経験から生まれたのです。自分とパパの間に起きたエピソードがちりばめられています。

この作品を観て思うのは、普通って何だろうということです。
男性であったパパが女性になってしまうという変化に対する戸惑いはありますが、でも、パパの愛情が変わるわけではありません。
変わらないものと変わるもの、変わっていいものと変わってはいけないもの…
それに気づいた時、人は成長できるのかもしれません。それは大人でも子供でも関係ないですよね。
トランスジェンダーが生きづらさを感じているのは、まだ私たちの社会が成長しきれていない証しなのかなと思いました。

『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』

12月24日(金)、新宿シネマカリテ他全国順次公開

公式サイト:pnf.espace-sarou.com

監督・脚本:マルー・ライマン 
出演:カヤ・トフト・ローホルト、ミケル・ボー・フルスゴー、リーモア・ランテ、ニール・ランホルト
2020/デンマーク/デンマーク語・英語/ビスタ/カラー/5.1ch/97分/PG12 
原題:EN HELT ALMINDELIG FAMILIE 英題:A PERFECTLY NORMAL FAMILY
日本語字幕:中沢志乃 後援:デンマーク王国大使館 
配給・宣伝:エスパース・サロウ
© 2019 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

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    • ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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