ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

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2021.12.05

サンデー早起キネマ『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
12/5は、思いもよらない結末を迎える衝撃の作品を3本、ご紹介。

1本目は、第二次世界大戦から現代に跨る謎に迫る音楽ミステリー
『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』

物語の始まりは、1951年ロンドンのコンサート会場。
「神々の音楽を奏でる」と讃えられた21歳の天才ヴァイオリニスト・ドヴィドルのデビューコンサートが華々しく開かれようとしていました。しかし、開演時間になっても彼は現れなかったのです…。
時は10年ちょっと遡って、第二次世界大戦前夜のヨーロッパ。
ロンドンに住む9歳の少年マーティンの家に、ポーランド系ユダヤ人で、類まれなヴァイオリンの才能に恵まれた同い年のドヴィドルが預けられます。まじめなマーティンと生意気なドヴィドルは、正反対の性格や宗教観の違いに戸惑い、ケンカを繰り返しながらも、やがて兄弟のように仲良く成長しました。
しかし、ドヴィドルはリハーサルまで済ませたコンサートの日、忽然と姿を消してしまったのです。
音信不通のまま35年の月日が経ったある日、音楽コンクールの審査員をしていたマーティンは、出場者の一人にドヴィドルの行方を追う手がかりを見出し、彼を探す旅に出ます。
ドヴィドルはなぜ失踪し、一体どこに行ったのか?
マーティンの旅路の先には、思いがけない衝撃の真実が待ち受けていたのです。

ズシーンと胸に響きました。「そんなことが…えええ?!」という驚きと共に、重い物が胃の当たりに置かれたような感覚でしょうか。
原作は、クラシック音楽の研究者で評論家、作家でもあるイギリス人ノーマン・レブレヒトの小説「The Song of Names=名前たちの歌」です。
映画と同じ位クラシック音楽を熟知しているフランソワ・ジラール監督がメガホンをとりました。
監督は「今の社会が抱える問題の一つは記憶の喪失だ。30歳未満の5割、半分は、ホロコーストの意味さえ知らない。だから記憶を風化させないこと、あの出来事の意味を生かし続けることが、この映画の一つの使命である」と述べています。

ホロコーストが、こんな切なく悲しい出来事も生み出していたんだと愕然としました。
もちろん、フィクションですから、同じ出来事が現実に起きたかどうかはわかりません。でも、起こった出来事は違っても、心に感じる衝撃はきっと現実でも同じだったのだと思います。
原題の「The Song of Names」、そして邦題にある「消えた旋律」…この意味が分かった時の衝撃に、しばし椅子から立ち上がれませんでした。
個人、個と民俗についても考えさせられます。

『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』

12 月 3 日(金)、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開

公式サイト:映画『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』公式サイト (songofnames.jp)

出演:ティム・ロス、クライヴ・オーウェン、ルーク・ドイル、ミシャ・ハンドリー、キャサリン・マコーマック
監督:フランソワ・ジラール
脚本:ジェフリー・ケイン
製作総指揮:ロバート・ラントス
音楽:ハワード・ショア
ヴァイオリン演奏:レイ・チェ
2019 年|イギリス・カナダ・ハンガリー・ドイツ|英語・ポーランド語・ヘブライ語・イタリア語|113 分|映倫区分:G(一般)
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
© 2019 SPF (Songs) Productions Inc., LF (Songs) Productions Inc., and Proton Cinema Kft

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    • ひろたみゆ紀
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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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