ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2021.11.28

サンデー早起キネマ『パーフェクト・ケア』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
11/28は、爽快な気分になれる3本をご紹介。

3本目は、ロザムンド・パイク主演、100%共感できないのに、なぜか爽快!
ジェットコースターのような新感覚クライムサスペンス
『パーフェクト・ケア』

ロザムンド・パイク、はっきり言って酷い悪女です。でも目が離せません。
この作品で、彼女はゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門で主演女優賞を受賞しました。納得の痛快な演技です!

主人公は、ロザムンド・パイク演じる法廷後見人のマーラ。
認知症などで判断力の衰えた高齢者の権利を法律的に支援し保護する、つまりケアすることが仕事です。
常に沢山の顧客を抱え、裁判所からの信頼も厚いマーラですが、実は、医師やケアホームと結託。
認知症だと診断させた高齢者をケアホームに送り込み、家などを処分、合法的に高齢者から資産を絞りとる悪徳後見人だったのです。
他人に何を言われても法廷で覆し、莫大なお金をジャンジャン稼ぎ、全ては順風満帆!
そんな彼女が、新たに獲物として狙いを定めた資産家の老女ジェニファー。
身寄りがなく、格好の餌食になるはずが、なぜか背後にはロシアン・マフィアの影が……。
迫りくる命の危機、まさに絶対絶命!マーラの運命やいかに?!

監督は、この作品が長編3作目のJ・ブレイクソン。
アメリカ国内での法廷後見人の搾取のニュースを聞いて、この物語を産み出したそうです。
「野望、アメリカンドリーム、人間が商品になること…特に、彼らの手段の多くが法の抜け穴だったことにゾッとした」といいます。
まさしくその通りで、だからこそ見ている途中、「えーっ!そんな酷いことがまかり通るなんて、許せない!」と地団駄を踏みたくなったりもします。

しかし、それ以上に、悪びれないどころか自分の中の欲望や衝動に正直に突き進むマーラの途方もない強さ、強欲さに心が動いてしまうのです。
ロザムンド・パイクは「監督はこの映画で、愛すべきでないものを愛する権利を観客に与えている。認めるべきでないとわかっているものにのめり込み、軽蔑するべきことを楽しむ権利をね。それが大好き」と話しています。
ブラックコメディのように描かれる残酷なのに明るいトーン。
だから思いっきり、その悪を楽しんでしまう自分がいるのです…と同時に、見た後で、あ、いけないと思う自分もいるのですが…。
総人口に占める高齢者の割合が29.1%と世界一位の超高齢社会の日本、他人事ではないかもしれませんよ。

『パーフェクト・ケア』

12月3日(金)より、全国劇場【3週限定】公開&デジタル配信開始

公式サイト:movies.kadokawa.co.jp/perfect-care/

監督: J・ブレイクソン
出演:ロザムンド・パイク、ピーター・ディンクレイジ、エイザ・ゴンザレス、ダイアン・ウィースト
2020/英語/118分/シネスコ/カラー/5.1ch/原題:I Care A Lot/日本語字幕:牧野琴子
配給:KADOKAWA
©️ 2020, BBP I Care A Lot, LLC. All rights reserved.

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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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